ニキシー管が美しいNIXOIDの最新作、世界初のデュアルコア・ニキシーウォッチがローンチ!


ソ連製の表示管を使った腕時計でこのブログではすっかりおなじみのNIXOID。

ある意味「ニキシー管」という表現は、実際のニキシー管意外にもレトロなチューブが光る系の表示機構をひっくるめて用いられる傾向がある。NIXOID(ニキソイド)もそのブランド名から判るようにニキシー管を使った腕時計を作っているが、そのほかにもフィランメント表示管、蛍光表示管「VFD」など様々な表示管を使って、レトロフューチャーな腕時計を作っている。

今回ご紹介するのは、そんなNIXOIDが最初のプロトタイプから5年、会社立ち上げから3年の時を経て進化させてきた最新モデル「NIXOID NEXT」だ。現在NIXOID NEXTはKickstarterでキャンペーンが始まったばかり


もくじ


プロモ動画:ゾーンの奥深くで見つかったのは…
デュアルコアとは!?進化を遂げたニキシーウォッチ
リワード、ストレッチゴールも充実
まとめ


プロモ動画:ゾーンの奥深くで見つかったのは…


まずはプロモーション動画を観てみよう。

ゲーム『S.T.A.L.K.E.R.』を彷彿とさせる防護服に身を包んだ男が、NIXOID製のガイガーカウンターならぬチューブディテクター(これも限定リワードとして提供されている!)で何かを計りながら、ウクライナのプリピャチ、チェルノブイリ立入禁止区域「ゾーン」に足を踏み入れる…。

男がゾーンの奥で見つけたものは…NIXOIDの新作ウォッチ!


なお、ニキシー管は過去30年以上に渡って製造されていない。そんなニキシー管の中でも未使用のものを探し出して製品に使用するNIXOIDの意気込みを感じさせる。NIXOIDが今回使用するのは25年間箱に仕舞われたままだったIN-16管。これは閉鎖された軍用倉庫にあったものを今年になって発掘したもの。

「ニキシー管は世界にそう多くは残っていないのでもしかしたら最後の箱かも」とNIXOIDは語る。古いからと言って軍用に製造されたものだから信頼性は高い。NIXOIDはどのニキシー管も最低20年は使える事を保障している。

こんな話を知ると、プロモ動画もあながち大げさには思えなくなる。なお、NIXOIDはウクライナのブランドであるという点からしても、あながちロケーション的にも違和感ないのかも。


デュアルコアとは!?進化を遂げたニキシーウォッチ


果たして最新版「NEXT」ではどのような進化があるのだろうか?

目立たない部分としては、光の同期点火アルゴリズムや、アンチ・カソード・ポイズニング技術がある。NIXOIDでは自社でこれらを開発し、以前より使用していたのだが、今回はアルゴリズムもアンチ・カソード・ポイズニング技術も向上し、これまでのモデルよりも明るく美しく光るとしている。

そして、世界初のデュアルコア表示管腕時計!!CPUではシングルコア、デュアルコア、クアッドコアなどとCPUの数で性能や値段が違うが、ニキシーウォッチにデュアルコアとはどういう事なのか?


実は最新モデル*のプロ版*で新たに追加されたコアは、加速度計専用に割り当てられたコアとなっているのだ。

実は加速度計搭載の話しはNIXOIDのVFD管ウォッチの頃に存在していた。そこでは実際にプロトタイプが作られ様々にユーザビリティーの実験が行われていた(アンロックは適わなかったがストレッチゴールとしても設定されていた)。


加速度計が何のために存在するかというと、ボタンを押すこと無く、手首を捻るだけで時刻表示を可能にすることにある(ボタンを押しての時刻表示も可能なのでご心配なく!) 。

しかし加速度計のデータは別コアで処理される。こうすることで加速度計からの情報を正確に独立したデータとして処理することが可能になるのだ。そのため適当な手の動きで間違って表示されることは無い。(加速度計でバックライトが光る腕時計としてはカシオ・データバンクDBC-611-1を持っている。手を使わずに光らせられるのは便利な反面、結構間違ってバックライトが光ってしまうのでバッテリーの持ちが心配になる。)


加速度計機能のオン・オフは特製キーホルダーで行う。まるで魔法のようだが、キーホルダーにはマグネットが付いており、これにより本体側の機能をコントロールするのだ。なんだかSFみたいで格好いい。

バッテリーの持ちは、加速度計機能オンの状態だと通常使用で10日間。オフだと時刻表示の度にボタンを押さなければならないがバッテリーは通常使用で25~30日間持つ。加速度計オフのスリープモード状態であれば、本体を使わずに2ヶ月間はバッテリーを維持できる。


バッテリーと言えば、充電機能も進化している。これまでは本体側面にmicroUSBを差し込む充電方法であったが、今回はマグネティックコネクターを採用。


Pebbleのように本体裏にある端子に磁石でポチッと充電ケーブルが引っ付く仕組みだ。これにより、MicroUSBという汎用性は失われたものの、充電の煩わしさは大幅に軽減されることとなった。そしてUSBでは良くある、長年使っていくうちにコネクタ部がスカスカになってケーブルを保持できないという問題も解消できたと言う面でも評価できる。


ぱっと見では判らないかもしれないが、実はケースも新規にデザインされている。従来のものよりも薄く軽く、厚さは16.9mm。今回はよりエルゴノミックに進化したとのことで付け心地の向上も売りだ。ボタンの形状も変化しているのに気付く方もおられるだろう。

ケースに使用されるステンレススチールアルミニウムはウエポングレードとのこと。CNCでステンレスアルミニウムの塊から削り出されている。風防は傷の付きづらいサファイアクリスタルだ。


ケースカラーは、ミリタリー・グリーン、マーズ・レッド、ディープ・ブラック、ポリッシュド・クラシック(シルバー)となっている。

ストラップはフッ素ゴム(Fluorine rubber、FKMとも呼ばれる)でできている。これは腕時計に使われるOリング/ガスケットなどでおなじみの素材で、さわり心地が良く、強い。

ストラップ色は、ポリッシュド・クラシックでは茶色だが、それ以外のモデルではケースにマッチした色合いとなっている。


ケースにはシリアルナンバーとバッカーナンバーがレーザーで彫り込まれる。支援者やファンには嬉しいところだ。


リワード、ストレッチゴールも充実


リワードとしては、この新作NIXOID NEXTのプロ版が主な売りだ。加速度計機能は絶対使わないと言う方は、その有無以外には同じで価格が少し安いNIXOID NEXTのベーシック版もリワードとして選択可能だ。


このほかにも前世代機にあたるNIXOID Classic(上写真)が50本限定で提供されているほか、動画に出てきた下のニキシーガジェットも限定2点提供されている。


Explorer Editionでは、このプロモ動画に出てきたやつもリワードに入っている。このリワードは限定2点のみなので気になる方はお早めに!



しかもちゃんとガイガーカウンターっぽく稼働するのは嬉しい。

発送は9月以降となっている。


毎回目標金額を大幅に上回るNIXOIDのキャンペーンだが、ストレッチゴールももちろん用意されている。ストレッチゴールでは、集まった金額が:

・1万ドル:新たなメタルストラップ(ブラック/シルバー)
・1万5000ドル:カスタム・レーザー・エングレーヴィング
・2万ドル:新たなレザーストラップ(本革 赤/ブラウン)
・4万ドル:ケースカラーに新色が追加(クラシック・ゴールド/ニュークリア・レッド)
・5万ドル:香港47RONIN*のNIXOID限定ストラップ!
・8万ドル:ケースにプラズマコーティング(塗装の代りにプラズマコーティングでケースに色づけ)
・9万9999ドル:エクスプレス発送

と、かなり充実したストレッチゴール内容となっている。

*47RONINは着物生地や学生服のボタンなど、従来あまり見かけなかった日本の素材を使用してストラップを作る人気のストラップメーカーだ。47RONINというなから判るように、『四十七人の刺客』で知られる「赤穂事件」から取られた名前だ。是非ともストレッチゴール達成してもらいたいところ。


まとめ


ニキシーウォッチを作るブランドは複数あるが、その中でも毎回少しずつ進化を遂げつつ作り続けているのはNIXOIDくらいなものだろう。今回はまさかのデュアルコアとは驚き。

それ以外の点でも着実に進化をしている点は好ましい。
    
今後も進化したニキシーウォッチを見せてくれる事を願いたいが、ニキシー管の在庫が足りるのかが心配なところ。

今のうちに最新版モデルを自分のものにしたい方はNIXOIDのKickstarterキャンペーンを支援すると良いだろう。



Image courtesy of NIXOID
Source: Kickstarter

(abcxyz)


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