予算10万円程度で、自動巻きで薄い腕時計が欲しい!


Image: Mido

自動巻きの腕時計で薄いものは値が張る。と言っても、何かを「薄い」と感じるかどうかなんて主観的な概念なのでここでは時計部の厚みが1cm=10mm以下のものと限定しよう。

もちろん基本的には薄さが0mmに近ければ近いほど値段が高くなるのだが、今回の記事ではなるべく薄くて、それでもお手頃な…例えば10万円以下の価格の腕時計を探してみようと思う。

結論:予算オーバーだけどやっぱりミドー・バロンチェッリ・ヘリテージが欲しい!


高くて薄い高級時計たち

まずは薄くて高い有名どころをご紹介しよう。

例えばよく知られたところではパテックフィリップのノーチラス5711/1Aが厚み8.3mmで中古で700万円。


ノモスのテトラ・ネオマティックなら7mm台で30万円以下。ノーチラスと比べれば格段に安くて薄いが。
5mm以下となるとなかなか見かけないが、ピアジェのアルティプラノが4.3mmで中古で400万円くらい。 


商品リンクはないが、現在のところ世界最薄とされてるピアジェのAltiplano Ultimate Conceptは僅かに2mmでCHF 410,000、4700万円くらい。私には到底手が出せない。


クオーツでも薄ければ高い

もちろんクオーツ式ならば自動巻きの物と比較して格段に安いものが多い。

例えば私のブログで取り上げているアナログ式時計(デジタル表示ではなく針が時刻を指すもの)だけでもAARNIは8mm、 Lilienthal Berlinは7.5mmElliot Havokのものは7mm、でどれも価格は2万円ほど。

シチズンのエコドライブ薄型モデル(厚さ4.9mm)なら3万円程度で購入できる:

しかしやはりクオーツ式でも薄さを極めると高くなるのは当然で、2.98mmの薄さを誇るシチズンのエコドライブ・ワンは30万円代後半から50万円もする(4700万円で2mmのピアジェや、7mmで30万のノモスなんかと比べればだいぶお買い得に感じるけど):

9mm台:パワーリザーブ80時間、ティソの2モデル

1.ティソ・ル・ロックル・パワーマティック80
(Tissot Le Locle Powermatic 80)



価格:6~8万円台
厚さ:9.8mm*
*上のリンクは全て9.8mmだが、ル・ロックル シリーズの中でも9.8mmよりも分厚いモデルもあるので注意。

ケース径:39.30mm
ムーブメント:Powermatic 80.111
パワーリザーブ:80時間
風防:サファイアクリスタル
防水:3BAR/30m
日付窓:3時
裏蓋:エキシビジョンバック

・パワーリザーブ80時間!
・独特のエキシビジョンバック

パワーリザーブ80時間のティソPowermatic 80ムーブメントを搭載したル・ロックル。ローマ数字の文字盤も上品だ。9.8mmというのは今回紹介する時計の中では分厚めになるが、80時間のパワーリザーブも持って6~8万円という価格なのは魅力的。


2.ティソ・バラード・オートマティック・COSC
(Tissot Ballade Automatic COSC)

メンズモデル
 

レディースモデル
 

価格:10万円くらい
厚さ:9.8mm
*上のリンク先の製品詳細でケース厚が10.5mmとなっているものもあるが、一応どれも型番で調べてティソの公式サイトでケース厚9.8mmと確認している。

ケース径:32mm/41mm
ムーブメント:POWERMATIC 80.811
パワーリザーブ:80時間
風防:サファイアクリスタル
防水:50m
日付窓:3時
裏蓋:エキシビジョンバック

・パワーリザーブ80時間!
・クロノメター認定モデル!
・シリコン製ひげゼンマイ

これはPowermatic 80ムーブメントのなかでも、耐久性が高く時期の影響を受けないシリコン製ひげゼンマイを使用し、なおかつ、スイスクロノメター認定協会COSCによる検査に合格したクロノメターモデル。

こちらもやはり9.8mmだが、10万円かそれ以下で80時間のパワーリザーブにクロノメター認定、さらにシリコン製ひげゼンマイというのは嬉しい。


8mm台:秒針なし・蓄光ありのハミルトン・ジャズマスター

ハミルトン・ジャズマスター・シンライン・オートマティック
(Hamilton Jazzmaster Thinline Automatic)


価格:8~10万
厚さ:8.4mm 

ケース径:40mm
ムーブメント:ETA 2892-A2
パワーリザーブ:42時間
風防:サファイアクリスタル
防水:5BAR/50m
日付窓:6時
裏蓋:エキシビジョンバック

・ダフネ針に蓄光
・インデックスにも蓄光
・秒針なし

わざわざシリーズ名に「薄い」という意味の「Thin」が付いているハミルトンのシンライン。針もインデックスも蓄光であるのも嬉しい点だが、秒針がないことも特徴の一つ。秒針を無くすことで薄くすることができた面もあるのだろう。秒針がないスタイルが好きな方にはお勧めできる。


7mm台:予算オーバー気味だが仕上げもエレガントなミドー

ミドー・バロンチェッリ・ヘリテージ
(MIDO Baroncelli Heritage)

メンズモデル


レディースモデル


価格:12~14万円(運が良ければ5万円あたりで見つけられるかも)
厚さ:7.15mm/7.25mm

ケース径:33mm/39mm
ムーブメント:MIDO1192(ETA 2892-A2ベース)
パワーリザーブ:42時間
風防:サファイアクリスタル、両面反射防止コーティング
防水:3BAR(30m)
日付窓:3時
エキシビジョンバック

・秒針あり!
・エレガントな仕上げ
・予算オーバー!!!

日本ではあまり注目が集まっていなかったからか、今でも定価のままの12~14万円で価格がこなれていない。と、10万円の予算をオーバーしてしまってはいるが、運が良ければもっと安く購入できるかもしれない。

ETA 2892-A2ムーブメントは僅かに3.6mmということもあり、先に紹介したハミルトンのシンラインにも使用されているが、こちらはケース厚が僅か7.25mmと更に薄くなっていて、更に秒針も付いている。商品写真では判りづらいかもしれないが、文字盤はエッグシェルテクスチャーが施してあり、針は左右の面で艶出しと艶消しの仕上げが使い分けられている。全体的にエレガントなデザインとなっている。風防の両面に反射コーティング(ARコーティングとも言う)が施されているのも今回紹介の他の腕時計にはない利点だ。

なおレディースモデルだとケース径は33mm、ケース厚は7.15mmと僅かだがメンズモデルよりも薄くなる。エキシビションバックとなったケース裏もレディースモデルの方が迫力がある。男性女性を問わず手首径が小さい方はレディースモデルを検討されるのもありだろう。(参考までに手首径が16~17cmの私がケース径36mmのオリエント・バンビーノ36を着けるとこんな感じ。)


(スウォッチグループジャパン株式会社ミドー事業本部は楽天でミドー公式オンラインストアを展開しているので、公式から購入したい方や、楽天ポイントが余っている方はそちらから購入するのもありだろう。珍しい黒文字盤黒メタルブレス版も購入できる。)





結論:予算オーバーだけどやっぱりミドー・バロンチェッリ・ヘリテージが欲しい!


簡潔にまとめると、こんな感じだろか:

1.『予算がない &/or 3日分のパワーリザーブが欲しい』と言う人は
9.8mm 6万円~ 「ティソ・ル・ロックル・パワーマティック80」

by カエレバ

2.『薄さより3日分のパワーリザーブとクロノメター認定だろ』と言う人は
9.8mm 10万円~ 「ティソ・バラード・オートマティック・COSC」

by カエレバ

3.『秒針はなくて良いけど蓄光が欲しい』と言う人は
8.4mm 8万円~ 「ハミルトン・ジャズマスター・シンライン・オートマティック」
 4.『ちょっと奮発しても薄いのが欲しい』と言う人は
7.25mm 12万円~ 「ミドー・バロンチェッリ・ヘリテージ」 

…という感じだろうか。

ちなみに、10mmと7mmの違いはこんな感じだ:


10mmは中古で購入したセイコー・ファイブSKXY09(自動巻き)、7mmは前述のElliot Havok(クオーツ)。

「セイコー・ファイブで10mmのが買えるならティソの9.8mmよりよっぽどお買い得じゃん!」と思われる方もおられるかもしれないが、Seiko 5 Finderで見た限りでは現行のメンズモデルではケース厚10mmはもうないようだ。レディースモデルなら現行で10mm台のものがまだ存在し、約1万円から購入できる。例えばケース径24mm、ケース厚10.5mmのSYMK17J1とか:



そう考えると、やっぱり10mmに近いよりは5mmに近い方が魅力的に、つまり7.25mmのミドー・バロンチェッリ・ヘリテージが一番魅力的に思えてきちゃうよね…


Source: Seiko 5 FinderSeiko 5 Finder 2

(abcxyz)

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