Sponsored by Neucarl Watches
今回はフランスの新興マイクロブランドNeucarl Watchesより、同ブランドのファーストモデルとなる「Sept Mai」をご紹介しよう。
古き良きストリームライン・モダンを現代風にアレンジしたデザイン、スイス製手巻き式ムーブメントを心臓部に、それ以外全パーツが新規デザインという魅力的な腕時計となっている。
(現在は限定100本シリアルナンバー入りで値段も一般販売品よりも大幅にお得な「ファウンダーズ・エディション」の予約受付中だ。)
もくじ
・Neucarl Watches - Sept Mai・ストリームライン・モダンが美しいケース
・シンプルな中に実用性が隠れる文字盤
・エプソン・レザーの高級感溢れるストラップ
・まとめ:デザインの優雅さと独創性と
Neucarl Watches - Sept Mai
Neucarl WatchesはFrançois Carlier氏により、歴史や文化で知られるフランスはモンペリエで生まれた。設立は2019年のとても若いブランドだ。
デザインの目指すところは、モダニスト的美観、空間幾何学、機能主義を追求すると共にストリームライン・モダン様式と組み合わせたカタチ。「独創的な腕時計のデザインからポジティブな感情をインスパイア」したいとしており、ブランド設立までに5年の時を掛けて今回ご紹介するSept Maiのデザインを完成させてきた。(面白い点として、Neucarl WatchesはSept Maiのデザインインスピレーションとなったムードボードを公開している。デザインの過程にも興味のある方は見てみると良いだろう。)
目の良い方はトップ画像からも既に判別できたかもしれないが、ムーブメントを除く全ての部品はNeucarl Watchesが全てゼロからデザインしている。こうすることでユニークな見た目と美しさを生み出しているのだ。
早速細かい部分を見ていこう。
ストリームライン・モダンが美しいケース
ケース径は41mm、ラグから反対側のラグまでは46.3mmで、316Lステンレススチール製。全体に鏡面仕上げが施されており、まさにストリームライン・モダン的。
機械式ムーブメントを内蔵しながらも厚さは僅かに10mm。その秘密は使用するSellita SW215-1ムーブメントにある。これは手巻き式のムーブメントなのだ。現在多くの機械式ムーブメントは自動巻きというローター内蔵のものであるが、これは古き良き手巻き式。ローターがない分、機械式でありながら薄さを実現できているのだ。これがヴィンテージ腕時計なら驚きはしないが新作のマイクロブランド腕時計では珍しいムーブメントチョイス。毎日竜頭を巻いて動かす、という自動巻きとはまた異なる楽しみ方、腕時計との付き合い方ができる。
多くの腕時計は3パーツでケースが構成されているが、Sept Maiは2パーツ構成。この2パーツが造り上げる形は美しい。
特に横から見ると流れるような、ストリームラインの、美しさがよく堪能できる。一つのパーツは文字盤とムーブメントを包み込み、そのコアパーツをもう一つのパーツが抱きかかえるような形状となっているのが判るだろう。
ラグとの僅かな隙間によって、まるでメインのケース部が浮かんでいるかのようにも見える。
正面から見ればラグが時計の上部から突き出るように見える。風防は緩やかなカーブが掛かったドーム状のサファイアクリスタル製で、両面に反射防止コーティングも施されている。クリスタルは2重カーブ(クリスタルの表面と裏面がカーブしている)となっているため、斜めから見ても文字盤の歪みが少ない。
ラグ部分も左右上下にカーブが掛かっているため、斜めから見たときにも立体的な美しさが感じられる。
また、文字盤を包むケースがお椀状に上部が広く、底部が狭くなっていることも判るはずだ。これにより時計の薄さが強調される。
竜頭は横から見ると二つのリングがあるようなユニークな形。竜頭頭頂にはスタイライズされたブランドイニシャルの「N」が刻印されている。
ケース裏はラグと一体化されており、上部ケースとは4つのネジで留められている。ケース材質やムーブメント情報、防水性能5ATMなどの表記もここに刻印されている。
裏はエキシビションバックとなっており、使用するSellita SW215-1の内部の動きやテンプの旋回運動を愉しめる。なおこちらの風防もサファイアクリスタル製と豪華だ。径は27mmと大ぶりであるのも嬉しい。一番受けには「Neucarl」のロゴが入っている。
なお100本限定の限定予約分のみは「ファウンダーズ・エディション」として「XXX/100」の刻印も裏面に入る。
シンプルな中に実用性が隠れる文字盤
ケースと共に文字盤もこの腕時計を特徴づける要素だ。文字盤も針もケースと同様ステンレススチール製であり、全体的な一体感がある。
文字盤内の要素は切り抜きがある他は、インデックスの線と文字のみで至ってシンプル。インデックスはシルクプリントで、切り抜き部を挟んで伸びる。インデックスの線に切り抜きが、文字盤にリズム感を生んでいる。
針は三針で、時分針は僅かに先端が細くなるバー状、中に大きな切り抜きがある。小さな切り抜き部分ではあるが、角はカーブが付けてある。秒針は先細りする細長いもので、後ろに僅かにカウンターバランスが突き出る。
シンプルな文字盤にシンプルな針で、一見蓄光部分もない。だがこれもよく考えられたシンプルさであり、実用性がある。
実は文字盤の切り抜きの背面は蓄光部分となっているのだ!この上を時計の針が走ることで暗所でも時間が判るという訳だ。切り抜き部分は12箇所、その間の切り抜かれていないブリッジとなっている部分がインデックスの代わりとして機能する。丁度時針の先端は蓄光部に被さるようになっているため、どちらが時針でどちらが分針か間違うこともない。蓄光材としては信頼のスーパールミノバBGW9が使用されている。
12時下にはスタイライズされたNeucarlの文字。6時上には「SEPT MAI」、「HANDWOUND」(手巻き)の文字。どちらもサンセリフとなっており、シンプルな文字盤に違和感なくなじむ。
3時位置にある日付窓も凝った作りで、ステンレススチール製の層のブリッジ部分が途中で切られ、その下の蓄光層がまた一段下がった位置にシルバーの縁取りが見え、そこから日付ディスクが見えるようになっている。
文字盤は外側が上方に向かってカーブしている。文字盤がカーブした腕時計はほかにも存在しないことはないのだが、加工のコストのためか、はたまたデザインのわずらわしさのためか、そのような仕様のものはそう一般的ではない。これもまたSept Maiを個性的なデザインとしていると共に、ストリームライン・モダンのテーマにマッチしたものとなっている。
エプソン・レザーの高級感溢れるストラップ
エプソン・レザー(もしくはエプソム・レザー/Epsom leather)となっている。これは本革に型押しが施してあるレザーで、エルメスなどの高級ブランドも用いている。
ストラップ幅は20mm。クイックリリース式となっているため、気軽に好きなストラップと付け替えて楽しむこともできる。
色は黒色。シルバーの時計部と上手くマッチする品のある色合いだ。ストラップ部分もNeucarlのロゴ入りとなっている。
まとめ:デザインの優雅さと独創性と
優れた、そして個性的なデザインの腕時計は世の中に多く存在する。値段が手頃な機械式の腕時計も世の中にごまんとある。だがこれらの要素を併せ持ったものはそう多くない。
特にSept Maiのデザインのユニークさ、優雅さは評価されるべき部分だ。ストリームライン・モダンをベースに現代風にまとめ上げたというだけでなく、ムーブメントを除く全ての部品が新規デザインという点も高く評価できる。特に多くのマイクロブランドがダイバーズウォッチやパイロットウォッチなどの「人気のカタチ」をベースにして(もしくはオマージュして)腕時計を作る中にあって(そしてそれらのマイクロブランドの中には少なからず腕時計のデザインに力を入れるよりも儲けることを優先するものも存在する)、新興マイクロブランドであるNeucarl Watchesは真にユニークな腕時計を造り上げている。
しかも一般的な自動巻きではなく、手巻き式のムーブメントを採用するという拘りも嬉しい。特に手巻き式腕時計愛好家の方にとってはデザインの選択肢に幅が広がったという点でも意味ある一本だろう。
そんなNeucarl WatchesのSept Mai。一般小売価格は799ユーロ(記事執筆時レートで約9万2000円)。より安価な腕時計に慣れてしまった方からすれば高いと感じられるだろうが、出来合の部品を使用していないユニークな腕時計ということを考えれば10万円以下に収まっているのは悪くない値段だ。
現在は一般販売より前に「ファウンダーズ・エディション」として100本限定の仮予約を受付中。しかも、ファウンダーズ・エディションは小売価格の半額である399ユーロ(約4万6000円)で、ケース裏にシリアルナンバーが刻印される。なおシリアルナンバーはまだ他の人に取られていない限り好きなものを選択できる。Neucarl Watchesのプレオーダーページによれば既に世界9カ国からの注文が入っているとのこと(なのでもし特定のシリアルナンバーが欲しいのであれば早めに予約した方が良いだろう)。国際送料は無料で、2年間の保証がつく。発送は今年秋を予定している。
Image courtesy of Neucarl Watches
Source: Neucarl Watches
(abcxyz)
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