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今回はSpinnaker Watchesの腕時計レビューをお届けしよう。海をテーマに魅力的なダイバーズウォッチを造る同社の特徴としては、レトロっぽさと現代性の融合にあるだろう。
レビューするのはSpinnakerの腕時計の中でも「コンプレッサー」ケースが一際目を惹くBRADNERコレクションより、青文字版、黒レザーストラップのSP-5062-03モデルだ。
追記:日本ではスピニカーとして展開している
もくじ
・開封
・ダブル・クラウンが特徴のコンプレッサーケース
・クラシカルな要素と複層性が面白い文字盤
・防水レザーストラップ
・まとめ:手頃価格でコンプレッサーも、様々な表情も楽しめるレトロモダンな腕時計
開封
白い薄手の厚紙は、どことなくセイコーの化粧箱用の箱を思い起こさせるが、こちらの方が美観が一枚上手。手前部分のロゴはデボス加工されているのだ。
中から出てくる化粧箱は中程が一段下がる、凝った仕様。
フィルムで守られたBRADNERと、腕時計を保持するクッション、そしてクッションが移動しないように両脇のピラーに挟まれて出てきた。ピラーはもちろん合皮だが、ぱっと見の質感は良い(これもセイコーより上手だ)。
付属品はクロスとこの紙。紙の裏には「保証についてはウェブサイトを参照せよ」とある。保証は国際2年間保証。
ダブル・クラウンが特徴のコンプレッサーケース
全体にヘアライン仕上げされているステンレススティール製ケースは、幅42mm、厚さ15mm。防水性能は180m。
ケースの一番の特徴は、これがコンプレッサーケース(compressor case)であること。コンプレッサーケースは特に50,60年代に流行ったダイバーズウォッチのケースタイプで、回転式ベゼルがケースに付いているのではなく、文字盤内に入ったインナーベゼル構造で、これをケースに時間調整用の竜頭とは別に付いた専用の竜頭で操作するもの。(「スーパーコンプレッサー」という名称の方が聞き覚えがある方もおられるかもしれないが、そちらはこの構造に加え、ケース裏方にバネもある特殊な構造を指すものだ。Worn & Woundの記事が詳しい。)
インナーベゼルは文字盤項目で解説するが、ふたつの竜頭を見ていこう。2時位置と、3.5時あたりとに突き出したダブル・クラウン。2時の竜頭はインナーダイヤルを操作するためのもの(セイコー・アルピニストSARB017も二つの竜頭にインナーベゼルを持つものの、インナーベゼルの役割が異なるほか、2つの竜頭の役割位置が逆だ)。
竜頭はどちらもコインエッジだが、インナーベゼル操作用のものは頭頂が艶出し仕上げのみ。
時間調整用の竜頭はねじ込み式で頭頂に艶出し仕上げの他、Spinnaker Watchesのヨットのロゴが刻印されている。
インナーベゼル操作用竜頭は、わざわざふたつの指を使ってつまんで操作しなくとも、ひとつの指をコインエッジの側面でスライドさせることにより、スムーズに回転する。回転は両方向だし、ロック機構はないので命の危険が関わるような時間測定やカウントダウンには使わない方がいいだろう。しかし、指一本で簡単にインナーベゼルを動かせるということは、もっと簡易な時間測定/カウントダウンを日常的に行うという人にとっては、二本の指を必要とするベゼルがケースに付いたより一般的なダイバーズウォッチよりも利便性が高いと言えるかもしれない。
竜頭の位置も適切で、竜頭は手首に刺さらない。加えて、左手首に腕時計を付ける人(右利きの人の多くがそうであろう)であれば、このように手の甲を反らせた状態では、人差し指側の手の甲の方が高くなるはずだ。なのでBRADNERの場合は手首に触れるとすれば時間調整用の竜頭となる。セイコー・アルピニストSARB017の方では3時と4時に竜頭があり、この状態で手首に4時の竜頭=インナーベゼル操作用竜頭が触れてしまうためこのような手首の動きで容易にインナーベゼル位置が動いてしまう。インナーベゼル位置をロックできない機構がある中では、このような微妙な竜頭位置の違いが利便性に大きな違いを生み出す。
竜頭の反対の面は何も不純物が無く、美しい対称性がある。
風防はボックス型(トップハット型とも)のサファイアクリスタル製。ドーム型のように見えるが、カーブが掛かっているのは円周部分だけで、頭頂部は平ら。これは全体が丸みを帯びるドーム型風防とも、円周に傾斜が付いているベベルエッジ(bevel edge)風防とも異なる(が、ボックス型風防がカーブしているのをいいことに十把一絡げに「ドーム型」と呼ばれているのも時折目にする)。
Quoraの質問者に答えるロンギネスの元デザインチーフ、Francis Jacquerye氏のコメントによると、ボックス型風防はヘサライト風防(プラスチック製)を模して作られたものだが、製造過程は大変で、製造費用が4倍になってしまうとのこと。例えばこれまでレビューしてきたものではUNDONE/アンダーンの腕時計がボックス型であったが、やはり価格面の問題からかサファイアクリスタル製ではなくK1強化ガラスであった。
これもあり外周部には歪みもあるが、丁度歪みはインナーベゼル位置に来るため、時刻確認の際には歪みは邪魔にならない。逆に面白みがあると感じる。
側面から見た画像では、風防の外側のベゼル部分に3段階の傾斜が付けられているのが判る。
裏蓋はエキシビジョンバックとなっている。中から覗き見えるムーブメントは安価で信頼度の高いセイコーSII NH35。
ローターはSpinnaker Watchesの社名とロゴが入ったものとなっている。これは以前当ブログでレビューしたThomas Earnshawの社名とロゴ入りのローターにもとてもよく似た構成だ。
(なおSpinnaker Watchesは、以前当ブログでレビューしているAVI-8、Thomas Earnshawなどと同じくDARTMOUTH Brands LTDの傘下ブランド。Spinnaker Watches担当者の方によればSpinnaker Watches自体はロンドン郊外をベースにしているとのこと。)
斜めから見ると白いプラスチックのムーブメントホルダーが見えるが、普段見えるものではないし、この価格帯では納得。気になる価格はレビューの最後にご紹介!
クラシカルな要素と複層性が面白い文字盤
文字盤部分は複層構造かつ立体加工でユニークだ。文字盤を構成する要素は大きく分けて3つ。一番低い部分から、時分インデックスのある青いサンダイヤル部分、その外周に一段高い位置に配されたガンメタル色の分インデックスリング、そしてその外側により複雑な形状のインナーベゼル、となっている。
まずは青いサンダイヤルの時分インデックスのある部分から見ていこう。
12時下にある「Spinnaker」のロゴはエンボス加工されている。
各時のアプライドインデックスは正方形と長方形が突き出した四角錐台状。天面にはスーパールミノバ蓄光が塗布され、その他の面は銀色に光を反射する。この70年代っぽい四角いインデックスもレトロ感を出す要素の一つだろう。
白い縁取りのある日付窓からは、黒色ディスクに白フォントで日付が見える。暗い文字盤色にディスク色が合っていて良い。
6時の上には「AUTOMATIC」、「600FT/180M」の防水表記。
針はパドル式の時針、少し先細るバー状の分針、そして先端寄りにオレンジの縁取りの丸い蓄光部がついた秒針からなる。どれも長さ方向にヘアライン仕上げ。時分針共に蓄光部分は大きめ。
その外周には、同心円状にヘアライン仕上げが施された分インデックスリング。インデックスは艶のある黒いプリントで、5分刻みにアラビア数字、分刻みに目盛りがある。
マットブラック色のインナーベゼル部分はこれらにも増して複雑な形状。最外周部は風防に接するほど高くなっており、最内周部は分インデックスリングまで傾斜している。そして60分部分に当たる逆三角形のインデックス、10分刻みに配されたバーインデックス、その間を5分刻みに走るバーインデックスは、どれもインナーベゼルから垂直に突出し、天面が文字盤と平行になっている。天面部分にはスーパールミノバ蓄光。
これだけでなく、インナーベゼルには分刻みにもドットインデックスが存在する(その一部は大きな5分おきのインデックスに隠れているが)。それらはインナーベゼルの他のインデックスと比べ半分以下の長さで、天面には何の塗装もなく、杭が地面から突き出たような印象もある。普段ぱっと見て気付くことがない要素ではあるが、内周に近い位置に配されていることもあり、文字盤に光が差し込めば影を作りだし、文字盤内に更なる立体感を加える。
傾斜の付いたインナーベゼルの構造と、突出したインデックスの立体性は文字盤の面白みを出しているが、そのほかにも文字盤/文字盤蓄光部への光の当たり易さの面でも利点があるだろう。現在一般的となっているダイバーズウォッチの多くは、ケースに付いたベゼルのせいで文字盤面への光の入射角が限られる。そのようなものと比べると、ケース径が同じであってもBRADNERの方が蓄光の面では文字盤に光がより当たりやすくなっている。
蓄光するとこんな感じ。パドル型の時針の形状が識別しやすいため暗所識時性も高い。
防水レザーストラップ
付属するのは20mm幅のレザーストラップ。レザーは水に弱いとされ、本格的なダイバーズウォッチにはあまり見られないものだが、こちらは防水加工がなされたレザーとなっている。この加工により、通常のレザーストラップと比較して、レザーが吸収する水量が格段に低くなっているとのこと。
表面はとてもきめが細かく均一に見えるレザーで、裏面は少しシボの見える作り。表面はスムーズ、裏面は比較してより肌に近い手触りとなっており、手首触りは良い。
バックルは艶のあるヘアライン仕上げで、「Spinnaker」の刻印がある。
16~17cmの手首周りの私には、小さい方から2番目のストラップホールが丁度よい。
まとめ:手頃価格でコンプレッサーも、様々な表情も楽しめるレトロモダンな腕時計
コンプレッサーケースのカジュアルダイバーズウォッチで、クラシックさと現代性の合わさった複雑な文字盤構成も面白い腕時計だ。
しかも価格は僅かに285ドル、記事執筆時レートで約3万2000円ほど。コンプレッサーケースを持った腕時計でここまで安価なものは非常に希だろう。加えて、Express Shippingでの国際発送は無料となっている。ロシアにお住まいの方には残念なことにロシアには発送してくれないが、日本へはもちろん発送してくれる。
しかも、当ブログをお読み戴いている皆様へは特別に価格が15%オフとなるクーポンを戴いて居るので、Spinnaker Watchesの腕時計が気になる方はこの機会にお使い戴くと良いだろう。
クーポンコードは:YUA10
Spinnaker Watchesのウェブサイトから製品をカートに入れ、カートから「CHECK OUT」を押すと出てくる画面で「Gift card or discount code」の部分に「YUA10」と入力、その後「APPLY」をクリックすると適応される。
最後に付け加えると、風防に関してはこのような青色の反射が見られる。製品情報ページには反射防止コーティングがあるとは記されていないが、
特にボックス型風防であることもあり、インナーベゼル上の部分が青みがかって見えるのだが、先にも書いたようにインナーベゼルはマットブラック。立体性とも相まって見る方向から様々な表情を見せてくれる時計だ。
Image courtesy of Spinnaker Watches
BRADNERコレクションは他にも文字盤やストラップのカラーバリエーションがあるほか、メタルブレスレット版(370ドル/約4万円)ではザラつきのある青い文字盤に、文字盤内の一部要素が銅色というセクシーな色合いのモデル「SP-5062-22」もある。
Source: Spinnaker Watches, Worn & Wound, Quora
(abcxyz)
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