以前台湾のTitus & Wayneよりレビュー用に製品を提供いただきレビューしたフィルターレス空気清浄機Luft Qi。
軽くおさらいしておくと、Luft Qiは光触媒により臭いや細菌、揮発性有機化合物(VOC)などの有害物質を除去することを謳う製品。レビュー時には、実験に適切とは言えない環境ではあったものの、VOCの測定が可能なATMOTUBEというデバイスを用い、箱の中でLuft Qi使用前後のVOCや空気の質を測定。その結果や、製品で使用されている技術や特許に関連した質問をTitus & Wayneにしたところ、返答が来なくなったことなどから、「実際どうなのかは…?」という評価を下した。
そんなこんなでしばらくは部屋の飾りと化していたLuft Qiだが、今夏、妻の花粉アレルギー症状が悪化したため、そういえばと思い立ちダメもとで動かしてみた。すると意外なことにわずか数分稼働させただけで、妻の症状が改善されたのだ。
ただ、最初にお断りしておくと、筆者は医療知識は持ち合わせていないし、以下に示す事柄は他の環境では再現されないかもしれず、完全に公称されている効果があるとは私は言い切っていないので、その点ご注意戴きたい。
期待せずに動かしてみれば…
一応もう少し詳しく状況を説明しておこう。妻は何らかの花粉にアレルギーを持っているようで、窓を開けているとくしゃみ鼻水が止まらなくなる。今夏、就寝時は暑かったので窓を開けて寝ていたのだが(フィンランドではエアコンのある家は少ない)、特に就寝時には鼻水で息苦しく寝入りづらい状況が続いていた。寝室は10平米ほどで、室外窓は5センチほど開けており、居間へのドアは全開、居間のベランダ側のドアも開けた状態。
今回、就寝しようとして妻のアレルギー症状がでてからLuft Qiに電源ケーブルを接続。その後数分で妻の鼻水が止まった。明確な症状改善に妻は喜び、そのままLuft Qiをつけたままで就寝。安眠できたとのこと。
翌日起きて居間に移動するとやはり鼻水が出てきたので、今度はLuft Qiを居間に移動させたところ、症状が改善された(居間のほうが広いためか、はたまた時間帯による差かは不明だが、この時の改善の度合いは就寝時ほどではなかった)。
その次の日も、就寝前に居間にいた際には鼻水が止まらなかったのが、Luft Qiが稼働中の寝室に移動すると鼻水がやんだ。
そのまた次の日はしかし、これまでのように寝室の窓辺(顔からは2.5m程離れた位置)でLuft Qiを稼働させても鼻水は止まらず。Luft Qiを布団のそばへと移動させるとわずかに症状が改善したようだった。次の朝妻に尋ねると、Luft Qiのある側に顔を向けたほうが、(ドアのある)その反対側に顔を向けた時よりも呼吸が楽だったとのこと。(このことからは、この日は風が居間側から吹き、それまでの二日間は寝室の窓側から吹いていたため、初めの二日間はLuft Qiを通った空気が妻に向かっていたが、三日目はデバイスを通過した空気がそのまま外へ向かったとも考えられる。)
まとめ
ということで、Luft Qi、少なくとも妻はその症状を体感できている。
しかし、これが実際に妻の症状に効果てきめんであったとして、これが同様に他の種類の花粉・アレルギー症状に効果があるとは限らない。当方フィンランド在住であり、フィンランドで花粉症(heinänuha)を引き起こすアレルゲン物質は日本のそれとは異なる可能性があることも考慮されるべきだろう。加えて、この度の症状軽減がプラセボ効果や他の要因による可能性も完全には否定できない。
なお、前回の記事で記した通り、Titus & Wayneからはメールに返事が来ていないままである。宣伝される特許の実態や、効能の仕組みに関して製造販売元から連絡がないことはやはり製品への不信感を生む。その一方で、前回記事中の「実験」に関しては、使用したATMOTUBEも(記事に記しているように)VOC測定値に一酸化炭素の値が含まれるし、実験に使用した箱に気密性がないなどなど、この「実験」そのものの正当性も怪しんで見るべきである。
この記事ではLuft Qiが宣伝通りの効果を持つと言い切ることはしないが、少なくともぱっと見、妻の症状を見る限りは効果があるように見られはする。購入する金銭的余裕があり、ダメ元で試してみる気のある方には悪くない選択しかもしれない。
(abcxyz)
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