小ぶりな自動巻きクロノグラフで11万円台!?スウェーデンMAEN WatchesのSkymaster 38


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今回ご紹介するのは、手頃価格の自動巻きクロノグラフで、しかもケース径が小さいものをお探しの方にピッタリの腕時計。38mmの径にスイス製自動巻きクロノグラフムーブメントを詰め込んで11万円台というMAEN Watchesの「Skymaster 38」だ。しかもクロノグラフ腕時計として格好いいのだ。



MAEN Watches




MAEN Watchesはスウェーデンの首都ストックホルムを拠点とするオランダ系スウェーデン腕時計ブランド。二人のオランダ人により創設されたこのブランドは、実は米ニューヨークの歴史に惹かれてブランド名を名付けている。

今でこそ「ニューヨーク」と呼ばれるその地だが、その歴史はオランダに満ちている。実はニューヨークのブロンクス、ブルックリン、ブロードウェイ、ハーレム、ウォールストリート…これらは実はオランド語に由来した地名なのだ。ニューヨーク市に存在するマンハッタン島は、最初に到達したのはオランダからの資金援助で向かったイングランドの探検家、ヘンリー・ハドソン(ハドソン川の名称由来でもある)を船長とするオランダ船、「Halve Maen」(「ハーフ・ムーン」の意)だった。その後1626年、現在のマンハッタン島/ニューヨークに最初につけられた名前もまた「ニーウ・アムステルダム」だった。

MAEN Watchesはその名を最初にブルックリンに到達した船「Halve Maen」からとり名付けた。また腕時計コレクションにもオランダ/ニューヨークに由来する名称がつけられた物が多く、「Hudson Automatic」、「Brooklyn 39」、「Manhattan 40」などと言った具合だ。

ブランドとしては品質、素材、細やかなディテールへのこだわりを強みとし、期待を上回る腕時計作りを目標とする。ムーブメントにはスイス・メイドのもののみを使用というのもこだわりだ。Kickstarterでも過去に3回のキャンペーンを行いどれも成功させているという信頼も厚いブランドである。


そんなMAEN Watchesの最新コレクションであるSkymaster 38は、自動巻き機械式のクロノグラフムーブメントを採用しながらも手頃な価格のヴィンテージスタイルの腕時計だ。このSkymaster 38もKickstarterでキャンペーンが行われたことがあり、約19万ユーロ(約2200万円)もの資金を集めて成功させている。(実はクラウドファンディングサイトで資金を集める腕時計の中にはクロノグラフ時計は少なくない。しかしそのほとんどはクオーツやメカクオーツ式のムーブメントを採用しており、安価ではあるものの、自動巻き機械式ムーブメント腕時計の愉しさを追い求める人には物足りない。そんな中でSkymaster 38が大きな成功を収めているという点でも興味深いブランド/コレクションである。)

早速どのような腕時計なのか見ていこう。


ケース



こうして写真で見て理解するのは難しいが、実はこのケース、径は僅かに38mmなのだ。自動巻き機械式クロノグラフではケース径が42mm~45mmくらいのものが多い中で、38mmにケース径を抑えているのは素晴らしい。基本的にヨーロッパの人々に比べて日本の人の手首径は細めであることからも、45mmやまして50mmといったサイズの時計は日本人の平均手首径からしたら大きすぎる感は否めないし、手首が細めの人に取っては特に厳しい。そんな中で自動巻きクロノグラフで38mmというだけでもSkymaster 38が魅力的に見えてくると言う方も少なからずおられるだろう。

MAEN WatchesはSkymaster 38で小ぶりなヴィンテージクロノグラフのサイズ感を追求した*。使用するムーブメント、ETA 2894-2の径は28mm。5ATMの防水性能も備えながら、更には回転式GMTベゼルまでつけて38mm。

*参考までに、先日発表されたセイコーの機械式クロノグラフ55周年エディションの自動巻き2本、SRQ031(回転式ベゼル付き)は42.3mm、SRQ029は41mm、その周年元となる1964年のセイコー・クラウン・クロノは39mmのケース径だった(これは回転式ベゼルはあるが手巻き式でプッシャーは一つ、クロノ針も一針だけだった)。


38mmのケース径を実現するのは、極限までスリムさを求めたケースデザイン。回転式のGMTベゼルは掴みやすいように側面にコインエッジが刻まれている。これは通常のベゼルよりもスリムな作りとなっており、機能性を保ちながらも時計径を最小限に留める。


2時と4時方向から出るプッシャーは鏡面仕上げで釘状に頭が幹より太くなる。その間に位置する竜頭は、突出は少ないものの径は大きめで、プッシャーとのバランスが個性的なシルエットとなる。竜頭はコインエッジで頭頂に「M」の印が彫り出されている。


横から見たときにはSkymaster 38が薄いことにも気付くはずだ。厚みは風防を除けば僅かに10.9mm、風防含めても12.9mmとなっている。


そんなSkymaster 38標準モデルの風防はヴィンテージたっぷりにケースから飛び出したボックスドーム状のヘサライトクリスタル。だが69ユーロの追加で風防にサファイアクリスタル製を選択できるという嬉しいオプションも存在する。


ヘサライトは強化プラスチックであり、サファイアクリスタルよりも傷はつきやすいものの、サファイアクリスタル製の風防のようにバリッと割れることも無いし、傷を磨き取ることが可能。サファイアクリスタル製であれば傷はつきにくいが、万が一傷がついたら傷を取るのが難しく、割れるときにはパリッと逝ってしまう。時計の値段に風防の価格も反映されるのも当然で、サファイア版よりもヘサライト版の方が安価だし、もしも風防を取り替える必要がある場合も安価だ。そんな一長一短な2種の風防を選択できるというところは時計ファンには嬉しいところ。


裏面はねじ込み式。エキシビジョンバックとなっており、裏面目一杯に広がる窓から美しいETA 2894-2ムーブメントが堪能できる。裏面にはブランド名にコレクション名、や使用ムーブメントや防水性能がレーザー刻印されている他、その外周は細かな刻み目があるのだが、2894-2のローターベゼル内周の刻み目と同調するような視覚効果を産んでいる。


ケースから伸びるラグには文字盤側から見ればラグの内側に傾斜がつけられているのも判るだろう。これはラグが細目に見える効果を与えている。


ラグ-ラグ間の距離は46mmと全体的なバランスからは長めに設計してあり、腕の上での存在感が持たせてある。


文字盤



文字盤情報量の多いクロノグラフ腕時計だが、ケース径の小ささで可視性を犠牲にしないためにMAEN Watchesはサブダイヤルを大きくすることでこれに対応している。この事を頭に置いて文字盤を見返してみれば、文字盤全体とサブダイヤルの大きさの比率が一般的なクロノグラフ腕時計と異なることに気付くことだろう。


サブダイヤルはレコード状の立体的なディテールが施されている。


時分針は先端部分のみが僅かに先に向かう傾斜がついたバー状となっており、両長辺は下方の傾斜がついている。このため様々な角度から入る光が反射しやすい形状だ。可視性の面では暗くなってからのことも考えられており、その大部分にスーパールミノバC1蓄光材がついている。クロノグラフ秒針はメトロノームのように細い針の先端近くに四角い部分があり、その内側が蓄光部となっている。(秒針はスモールセコンドとなっており3時位置に存在する。クロノグラフ機能は、60秒計、30分計、12時間計がついている。)

3,6,9時を除く各時に配されたアプライドインデックスは、短辺に傾斜のあるバー状のもので、時計中心から最も離れた辺側に蓄光部分がある。各時インデックス部には(3,6,9時も含め)スーパールミノバC1蓄光材が塗布されている。

各時インデックスの間は各分の印がプリントされている。このプリント部と、3時、6時、9時インデックスはビッグサブダイヤルを避けるように存在するのだが、文字盤内の要素が左右対称であるため違和感は無い。

文字盤最外周部には傾斜したダイヤルリングがついており、5分の1秒間隔で線が引かれている。ケース径が小さいため少ない文字盤空間を上手く使っていると言えるだろう。



カラーバリエーションは黒文字盤に黒サブダイヤルの「Jet Black」、黒文字盤に白サブダイヤルの逆パンダこと「Inverted Panda」、そして白文字盤に黒サブダイヤルの「Panda」、そしてミッドナイトブルーの文字盤に白サブの「Midnight Blue」、赤みがかった灰色のサンダーグレー文字盤に、赤と黒のアクセントのついたサブダイヤルの「Thunder Grey」(このカラーのみ時分秒針が赤く、クロノグラフ3針が白い!)の5種類。


ストラップ



Skymaster 38の標準版には黒色のアリゾナ・トップグレイン・レザー(Arizona top grain leather)に対照的な色である白のスティッチがついたものとなっている。これは人気の白・黒の文字盤カラーリングにマッチする色として選ばれたものだろう。


追加料金は89ユーロほどかかるものの、Skymaster 38にピッタリの5リンク式ステンレススチール製ブレスレットも用意されている。中央と両端のリンクはブレスレット方向にヘアライン仕上げで、挟まれる薄い2リンクは艶在り仕上げ。安くは無いが、メタルブレスレットで楽しみたい場合はケース径とラグ長にピッタリ合った公式ブレスレットは魅力的だ。


まとめ



個人的に注目するのは、自動巻きクロノグラフであることと、サイズと価格。38mmという小ぶりなサイズの自動巻きクロノグラフはそもそも最近珍しい。他に現在38mmの自動巻きクロノグラフと言ったら40万円くらいするオメガSPEEDMASTER 38くらいだろうか。

ケースサイズが大きくなればそれだけデザインが大味であっても形になってしまうものだが、小ささを追求するのは難しいものだ。何が本当に必要なのか、どこを削り取るかをシビアに取捨選択し無ければならない。このバランシングもMAEN Watchesは上手くこなしていて、美しいクロノグラフ時計として必要な全てを詰め込み、GMTベゼルまで付加しつつも38mmのケース径、10.9mmのケース厚を実現している。

自動巻きクロノグラフを、小ぶりな腕にもしっくりくる38mmというケースサイズに上手く落とし込み、それを949ユーロ(執筆時レートで11万円)という控えめに言っても安価な価格で提供するのはすごい。しかもMAEN Watchesは品質にもこだわりがあり、ムーブメントがスイス製なのは当然として、組み立てもスイスのティチーノとなっており、Swiss Madeの腕時計となっているのだ。

唯一残念な点は、今すぐSkymaster 38が欲しくても手に入らないということ。実際に腕時計が手に入るのは来年3月で、現在は未だ予約販売を行っている状態ではあるが、その分現在は割引価格で提供されている。気になる方はMAEN Watches公式サイトへどうぞ。


Image courtesy of MAEN Watches

Source: MAEN Watches

(abcxyz)

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