Sponsored by LLARSEN
「ヒュッゲ」と言う言葉が最近日本でも流行った北欧デンマークからLLARSENの腕時計「Josephine」をレビューしよう。北欧デザインらしいミニマリスティックな美しさに実用性を併せ持つ、ヒュッゲなひとときに手首を飾る小ぶりの腕時計だ。
LLARSEN
LLARSENは2012年デンマークのSvendborgという街で生まれた。LLARSENというブランド名になる以前は「LARS LARSEN」(ラースラーセン)という名で腕時計を作っていた。このLARS LARSENという名は、二人の同姓同名の人物を指す。一人は、1919年に腕時計を作っていたLars Larsenという人物。そしてもう一人はその孫であり、このブランドを作ったLars Larsenだ。
シンプルな中に美しさを見いだすダニッシュデザインを特徴とするLLARSENだが、実は製造もデンマークで行っている。サファイアクリスタル製の風防も、文字盤もデンマーク製だとのことだ。
またLLARSENの時計には(日本の販売店から販売されているものはどうか知らないが)、バッテリーとストラップを除く時計部は限定ライフタイム保証(limited lifetime warranty)がついている。これは使用による経年劣化は対象にならない他、不適切な扱い(衝撃など)などは対象外だし、LLARSEN指定の会社以外が修理やメンテナンスした場合も対象外。だが保証対象となる場合は送料を負担してくれ、修理もしくは同等の時計と交換となる。
開封
化粧箱はトップがコルクとなっており、下部はシルバーの紙箱。
開けるとこの通り。箱内側は蓋・本体共に起毛生地となっている。
国際保証書は、裏面は紙だが表面は箱上部とおそろいのコルク張り!
それでは早速「Josephine」コレクションから、モデルナンバー「144SWD3-SSTONE18」をレビューしていこう。
ケース
ケースは316Lステンレススチール製で、艶のある仕上げとなっている。無駄を排したシンプルな形。風防は複数層の反射防止コーティングがなされたフラットなサファイアクリスタル製。
ケース径は37mm。ケース厚は6.8mmとかなり平たい。こうして台に乗せ側面から見ると、ラグで自立してケースの裏蓋部分は台から浮くことも判る。
ただでさえ薄いケースだが、トップも風防側面から傾斜を帯び、下部も小さめの裏蓋の端から傾斜を帯びており、数字上の厚みよりも更に薄く感じさせている。このことからケース径も同様に小ぶりに感じられ、実際に37mmの径を持っているのはラグと竜頭の出る中央部分のみとなっている。
はめ込み式のケース裏蓋にはデンマークの国章である王冠を被ったライオンが。
Image by: Kongeriget Danmark, file made by Galico, CC BY-SA 3.0
国章のライオンは三匹だが、ここには一匹しかいない…?いやいや、時計全体としてみると三匹ちゃんといますのでご心配なく。ライオンの周りにはハイグレード・ステンレススチール製、デザイン&メイド・イン・デンマーク、LARSEN WATCHES(これはブランドの旧名だ)、そして3ATMの防水表示などが。
竜頭は、時計部に向かい僅かに先細る形状。側面はコインエッジとなっており…
竜頭の頭頂部には二匹目のライオンが。
ストラップを外すと裏面の両ラグの間に溝が見える。付属のストラップはこの溝が無くともケース裏に触れることは無いが、取り付けるストラップによってはこの溝によりケースとストラップが直接触れあわないようになるかもしれない。
使用ムーブメントはSEIKO TMIの「VJ20」。Slim / Small Movement(スリム/スモール・ムーブメント)に区分されるクオーツムーブメント。TMIによれば、通常の気温域(動作気温域は-5度~+50度)での使用では精度誤差はひと月に20秒。バッテリーはボタン電池のSR621SWで、バッテリー寿命は約3年。
文字盤
文字盤も必要以上の要素は排したシンプルな作り。
文字盤の輝きは真珠のような色合いにも感じられる。よく見ると文字盤はサンレイ仕上げとなっているのだが、多くの同仕上げの文字盤と比較して控えめに光を反射しており、上品さがある。ロゴはブランド名を明確に示しながらも主張は強すぎない。
インデックスはバー状のアプライドインデックスとなっている。インデックスは艶があり、サンレイ仕上げ文字盤の反射率と相まって可視性が高くなっている。
針は時分秒の3針。どれもブルーペイントされており、青が透けて反射し美しい。時分針の形状はリーフ型。
秒針はスモールセコンドとなっており、中心から6時方向寄り。スモールセコンド部分にはレコード状の小さな溝がつけられているほか、インデックスとして5秒刻みに印がつけられ、60/15/30/45の部分にはアラビア数字も記されている。
文字盤6時位置には「MADE IN DENMARK」の記し。
なお、Josephineコレクションにはこの銀色インデックスに青い針の「144swd3」モデルの他に、インデックスも針もゴールド色の「144swg3」モデルも存在する。
ストラップ
ストラップは柔らかい手触りの子牛皮製。幅は18mm。クイックリリース式となっているので好みのストラップに付け替え可能。
なおLLARSENは各モデルに合わせたストラップも様々に用意している。例えば今回レビューのJosephineは18mmのストラップ幅なので、ストラップページから「18mm Josephine, Helena」を選択。次のページでバックル金具の色を選択し、最後にストラップの色・材質を選択することで、追加のストラップを購入。クイックリリース式のストラップなので気軽に付け替えて組み合わせを楽しむことができるというわけだ。
ストラップは9種類から選択可能で、子牛皮製のものの他にスティールメッシュ製のものも存在する。レビューのものは「SSTONE18」。
縫い目のない半ヘリ返し仕立てで、上の面と側面はひと繋がりの素材となっている。この仕上げは見た目には良いが、側面部の耐久性に関しては少々心配が残る。裏側にはLLARSENのロゴの刻印も。
バックルには三匹目のライオン!紋章のライオン3匹がきちんと全て一つの時計に入っているのは遊び心があって楽しいし、デンマーク好きな方にも受けるだろう。
この腕時計のコレクション名からもうお気づきの方もおられると思うが、今回レビューしているのは女性用モデルだ。筆者は男性だが、なぜ女性用モデルをレビューしているかというと、私の16~17cmの手首周りにはケース径が40mmよりも小さい腕時計の方がサイズ的に丁度良いからだ。男性だからと言って大きな手首を持つ人ばかりではないし、国による男性の腕の太さにも傾向がある。そんな中でもここ数十年の"男性用"腕時計のケース巨大化の流れを受け、今も40mmを超すケースが「男性用」とされ、旧来男性用であった小さいサイズのケース*が「女性用」と言った具合に、サイズが性により指定され分け隔てられている状況を快く思わない。
例えば、ドイツの腕時計ブランドSTOWAなどは完全に性による製品分けを廃し、純粋にケースサイズのみで製品を分けている。そんな中にあって男女の性的格差が世界的にも低いとされる北欧諸国のブランドですらも、着用者の手首サイズでは無く、性によって分けるところが少なくないのは不思議で仕方が無い。(なお世界経済フォーラムの「ジェンダー・ギャップ指数2018」ではデンマークは13位。比較として;アイスランド1位、ノルウェー2位、スウェーデン3位、フィンランド4位、ドイツ14位、日本110位。)
特にLLARSENのようにシンプルさの中に美を見いだす時計は、装飾スタイルによる違いで男女製品を分け隔てるブランドなどとは違い、実質的な「男性用/女性用」の違いはサイズにしかない(LLARSENの場合それに加えてコレクション名も違うが)。ただし、LLARSENは男の私が女性用コレクションをレビューしたいと提案した際に快く了解してくれたことは記しておこう。この事からすればもしかしたら男性用・女性用という区分けは時計業界に残る慣例的なものであり、LLARSENもまたその習慣に従い性による製品分けを行っているが、どちらの性がどちらの性向けの製品を着用するかに関しては意見は無いのかもしれない。
*旧来男性用時計は20~30mm台のケース径であった。詳細はForrestレビューでどうぞ。
そんなわけで、所謂「男性モノ」の腕時計をつけた場合は一番小さなストラップ穴にしても大抵微妙に緩い私の手首にも、この腕時計はピッタリはまる。そしてなお4つも小さい方向に穴がついているのだ。
なお妻がつけるとこんな感じ。
まとめ
本家LLARSENから購入の場合、価格は199ユーロ、記事執筆時のレートで約2.4万円。製造をデンマークで行っていることも思慮に入れれば、クオーツ式のファッションウォッチとして相応の価格だ。国際発送は無料となっている。
日本のサイトからお買い求めになりたい場合はLLARSEN.JPからどうぞ。同サイトには日本国内のLLARSEN取扱店舗一覧も掲載されている。
いかにも北欧デザインらしいシンプルさの中に見る美しさ。そこには、時間を認識するための道具としての機能性を保ちながらもファッション時計としての存在も両立している。クオーツであり、そのため薄く軽い時計部であるということも、時間がずれる心配をせずに、また着用していることを意識すること無く、機能を両立させる上で役立っていると言えよう。
LLARSENは、「仕事の時間、家族の時間、楽しむ時間」などという伝統的な時間の区分けとは異なる、デンマークの都市部の時間感覚に合った時計作りを目指すとしている。それは、時間の区分けが消え去り、カジュアルながらも楽天的なものだそうだ。そのようなデンマーク都市部の人々にとっては、時計は時間を管理するための道具としての意味合いよりも、時間を受け入れ、時間を楽しむための道具としての意味合いが大きくなっているという。
時間に管理されず、時間を認識して、限られた時間を「ヒュッゲ」に楽しむ。そんなひとときに手首を飾る腕時計だ。
Source: LLARSEN, YouTube
(abcxyz)
コメント