Kickstarterで以前46万ドル以上(約5000万円)の資金を調達、当ブログでも紹介したアメリカのblö。小型で、クリップにより衣類に取り付けて体を体幹から冷やすファンだ。製品を提供いただけたのでレビューさせていただく。
筐体
本体は手持ちサイズの扇風機から羽根を取り除いたかのような形状。
直方体から斜め情報に円柱が生えてきたような形で、直方体の平べったい側両面から上下方向にクリップが生えている。
側面片側にはボタンとLED、そして反対側まで貫通する縦方向に長い穴が空いている。
先ほど「扇風機から羽根を取り除いたよう」と述べたが、じつは扇風機風の部分は送風口ではなく、吸風口。この丸い側から空気を吸い上げ、空気が出てくるのは底面の通気口だ。この構造もあり、全体的に筐体のサイズが小ぶりとなっているのだ。
吸風口の部分は、ハニカム状の穴が空いており、その中にはさらにメッシュが備わり、内部のファンに異物が入り込みづらいようになっている。吸風口中心部には「blö」のロゴ入り(実はこのロゴの配置はコンセプト案から変更された部分だ)。
そしてこちらが通気口と充電用microUSBの穴がある部分だ。
使い方
送風強度は4段階、電源ボタンを押す度に「オン>1段階目>2段階目>3段階目>4段階目>オフ」と切り替わる。
だが通常の小型扇風機のように送風口を自分に向けても涼しいとは思わないだろう。これはそういう使い方のためにデザインされたものではないからだ。
本体に二つのクリップが備わっていることは先に記したが、これを使って服に取り付けて服の中に送風するというのがこのblöの使い方だ。ただ単に服の上から送風するのではなく、効率的に直接体幹部に向けて送風することで、効率的に体の温度をコアから下げるのだ。
blöの元来の設計では、首の後ろ部分につけることが意図されている。首回りがあまり広すぎない場合はこれが一番良い取り付け位置だろう。ただし、髪がある程度の長さだと吸風口に髪が入ってしまうことがあったので注意が必要(私の場合髪が引っ張られはしなかったがファンが詰まって壊れてもいけないので)。
首の前側につけることももちろん可能。
カッターシャツにつけてみたところ。やはりこのように首の後ろにつけた場合が一番涼しく感じる。それに、カッターシャツはある程度厚さがあるので安定する。
Tシャツの下部に取り付ける場合などは、特にシャツなどが薄い場合、使用中に体を動かすとblöの重みで送風位置がずれてしまうこともあった。なので、なるべくなら衣類の分厚い部分、例えばズボンなどに取り付けると良いだろう。
ズボンに取り付けたところ。特にこちら側のクリップは大きめであるため、このようにズボン+ベルトを挟み込むことも可能。首の後ろもそうだったが、個人的には腰の後ろ側もやはり効果的に体温を冷やすことができる用に感じる。
使用時の音は公式動画によると、49デシベルから61デシベル程度。これはプロトタイプ段階の動画のようで3段階までしか調べられていない。提供されたモデルの方はと言えば、あまり静かな空間で使うには適していないが(図書館で使うには勇気がいるだろう)、屋外だったり、周囲にある程度人の話し声や車の通る音などのノイズがある環境では問題なく使えるはずだ。
本体横部分に貫通する穴はエッセンシャルオイルをしみこませたインサートを入れることが可能。インサートはリサイクルされたスズ、プラスチック、フェルトでできている。公式ではペパーミントオイルがもつメンソールが、人の冷たさを感じるレセプターTRPM8に直接はたらきかけることができるとしており、ペパーミントオイルの使用でさらに冷たく感じることができるとしている。
使用時間は風の強さにもよるが公称4~8時間。充電時には青色LEDが点灯し、充電完了するとLEDが消える。満充電にかかる時間は公称1時間15分。
まとめ
体幹を冷やすのに特化したことから、本体の大きさが他の多くの携帯型ファンよりも小さく、なおかつ羽が外に露出しない形状となっているのは利点だ。また、衣類にクリップで取り付けるためハンズフリーとなることも忘れてはならない大きな便利ポイントだ。
体温を冷やすという行為をより効率化するための使い方に適したシンプルで小型な形状は、使用時に目立たないという点でより幅広く使うことができるだろう。
様々な要因で従来の携帯送風機が合わなかったと言う人にとっては、暑さしのぎの新たな選択肢としてありかもしれない。現在購入はblö公式ウェブサイトより可能となっているので気になる方は訪れてみると良いだろう。
Source: blö, Kickstarter
(abcxyz)
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