手元を飾る緑の文字盤。「森の腕時計」こと緑溢れるForrestのファッションウォッチをレビュー


Sponsored by Forrest

Forrestは、自然と自然素材をテーマにした腕時計やバッグを作るタイのデザイン・ファッションブランドだ。

植物、木、石。これらの素材をコアに自然と共存するデザインを行うForrestは、それぞれの素材を利用した腕時計を展開している。また、2017年にはそれら素材を使用したバッグのキャンペーンをKickstarterで行い成功させている。なおこのコレクションは同年Vogueの「Who's On Next 2017」を受賞しているのも特筆すべきだろう。

今回は「Metal Black Forrest」のSモデルをレビューしていこう。



開封



シンプルな厚紙製のカバー。黒に近い緑色のこのカバーにはテクスチャーの異なるプリントでロゴの他、中に入っている製品の概要が記されている。


カバーを外すとしっとりしたテクスチャーの合皮の箱が姿を現す。


これを開けると黒い箱の中に緑が。「Metal Black Forrest」。


ケース



Forrestの腕時計の各モデルには42mmのLサイズと、今回レビューしている35mmのSサイズがある。(今回Sサイズを選んだ理由は後述する。)


ケースは316Lステンレススチール製で、厚さは約110mm。円柱型のケースからストラップ方向に直方体が2つずつ出ているシンプルな形状。風防はミネラルガラスにサファイアコーティング加工が施されたもの。


裏蓋はねじ込み式で、同社のロゴと社名の他、5ATMの防水性能をもつこと、ウェブサイトアドレスなどが刻印されている。ムーブメントとして使用されているのは信頼の日本製、クオーツ式のMiyota 2033。


竜頭は3時方向に出ている。面白いのは竜頭が六角ボルト型をしていること。竜頭の頭頂は円形になっており、Forrestのロゴが刻まれている。竜頭を引き出すには竜頭の下側にある窪み部分に六角ボルトの角が来るようにして引っ張り出す必要がある。少し引っ張り出しにくいが、クオーツ時計だし、時刻合わせはそうそうするものではないので問題無いだろう。


文字盤



黒く艶のある時分針はペンシル型。時針にはロゴと共にFORRESTとブランド名が記されている。秒針は時分針ほどの艶味はないが同じく艶のある黒色だ。

しかし何よりもその後ろにある緑がこの腕時計の肝である。この緑は加工された苔でできている。保存加工されているため、自然な緑色はそのままに、これ以上育っていくこともなく、手間が掛からず緑が楽しめる。


なお苔はForrestが自ら育てたものを用いている。自然の素材であるため、同じ文字盤はふたつと無い。同じMetal Black Forrestであっても一つ一つ個性のある文字盤となっているのも魅力だ。


まるで地面を切り取ったかのようにとても自然な感じに緑が文字盤内に見える。購入を考えている人が気になる点としては「結構苔が立体的に見えるけど、落ちないの?」というところだろう。ここ2日間着用し、うち1時間は時計を着用したままかなり激しくバドミントンを行った。しかし盤面の自然は全くとれたり外れたり、揺れたりもすることなくしっかりとそのままの形を保っている。


ぱっと見、時計の針は見えても、それが指し示す現在時刻の目安となるインデックスがないように見えるかもしれない。写真では解りづらいかもしれないが、ダイヤルリングは円周方向にヘアライン仕上げがなされており、5分刻みで溝が刻まれ、これがインデックスの役割を果たしている。このため、針の指し示す方向に光が当たるようにしてやると溝が識別しやすい。


ストラップ



ストラップはブラックの本革で、かなりしなやか。これはSサイズなのでバンド幅は16mmとなっているが、Lサイズだと幅は20mmとなる。


半へり返し仕立てだろうか、表面の皮材がサイドまで包み上げ、また裏面も同じ素材が覆っている。単純にレザーを一枚そのまま使った物や、表裏を貼り合わせ横面にコバ塗りを施したストラップが多く見られる中で、このストラップはどの方向から見ても同じ革の質感が楽しめるものとなっている。

ただし、サイドまで革で覆われていることで、ストラップが曲がる際に歪みが生じるので、この部分の耐久性は少々不安だ。とは言えこれと同じ幅のストラップに取り替えれば問題無いし、少なくともForrest国際サイトでは全世界送料無料でストラップのみの発送も行っている。


サイズについて



実は今回Sサイズにしたのは訳あってのことだ。

男性向けであっても昔の腕時計はサイズは小さかった。A Blog to Watchの記事を参考にすると50~60年代までの腕時計ケース径は20mm代後半。70~80年代のロレックス・チェリーニが31.5mmで、クオーツショックの頃のクオーツ時計でも32~34mm。80年代となりようやくカルティエが38mmの巨大腕時計を出すに至る。現在では50mmを超えるものまで出ており、女性向けの時計が40mm以下で男性向けがそれ以上といった風潮となっている。

もちろん日本で販売・購入されている腕時計にもこの傾向が当てはまる。しかし実際に世界の腕時計業界でここまで腕時計が大型化していった要因のひとつには、世界的に見れば腕時計を購入する男性の手首サイズがそれを許容する大きさであったことも一つにあるだろう。遠回しないい方ではあるが、つまりはその大きさは日本人平均よりも大きいということだ。


例えば、私の手首の径は今回測り直してみたところ約15~16cm。日本人男性の平均身長は170cm程度とされるが、私の身長は174cm。多くのウェブサイトで平均的な男性の手首サイズを15~17cmとしていることから、平均の範疇に入るものと考えている。しかし私の住むフィンランドでは服も手袋もSサイズの製品が丁度良い。

そして、日本人平均よりも大きな手首の平均サイズを考慮して作られた、ケース径の大きな腕時計は、やはり手首が大きな人により似合うもの。手首からはみ出さんとするかのような大きな腕時計は、子どもが無理してブカブカの大人の服を着ているのと同じようなもので、似合わない(もちろんそれを意図してデザインされたものもあるし、サイズの合わなさをファッションとするのであれば別だが)。

そんなこともあって今回は35mmというクラシカルな男性向け腕時計サイズの「S」をレビューしているわけだ。実際35mmのケースだと、40mm台の多くの腕時計と比較して手首も軽いし、ストラップも細いのでムレや圧迫感も少ない。


そして、手首の太さと時計ケースの比率もより美しく感じる。とは言えこの感想は流石に自分の意見だけでは客観性に欠けるので他の人にも聞いてみたところ、40mm台の時計と比べ今回の35mmのMetal Black Forrestの方が大きさ的に「より合っている」、「より似合う」との声をもらった。(加えて「45mmまでの時計なら大き『すぎる』とは言わないまでもちょっと…」というような声も。)

これまで「男性用だから大きいサイズじゃないと」という固定観念で腕時計のサイズを選択してきた方は、今後より小さいサイズの腕時計にも目を向けてもらえば、腕元の表現の幅が広がることと思う。


まとめ



「いつも心に太陽を」ではないが、「いつも手元に溢れる緑を」。都会のコンクリートジャングル、非有機的なオフィス環境、そんなところに居てもふと手元を見て自然を思い出す。そんな時計だ。

機械による大量生産だろうが、人の手により組み立てられた超高級時計だろうが、遠目に見ればどれも似通った文字盤の時計ばかり。そんな中にあって、もし他の人と同じモデルをつけていたとしても、ふたつとして同じ表情を持った文字盤とはなり得ない個性も魅力だ。

SIHH 2019ではH. Moser & Cie.が生きた植物を使ったNature Watchを出品していたことも記憶に新しい。ちょっとやり過ぎ感も魅力だし、世話をするのも大変そうなその時計は、自然保護の大切さや自然回帰的な面のアピールと共に、カーボンフットプリント取引の馬鹿馬鹿しさを皮肉った作品だ。


ForrestのMetal Black Forrestはある意味ではそれと共通したところがあると共に、反骨精神よりは現実的なところを追求したものと言えるかもしれない。自然をコントロールしたいという人間の欲求と、生物的な自然を求める気持ち、その折り合う点を探したモノであり、それが日常的に使うことのできるタイムピースとして形になったもの。

Forrestはまた、商品の購入がある度に植樹への寄付をするとしており、昨年8月にはClub21と共同でタイのDepartment of Marine and Coastal Resources管轄地域2エーカーに3500本のマングローブの木を植えている

購入されたい場合は、Forrestの公式国際ウェブサイトから全世界送料無料で購入可能で、2年間の保証が付いている。


Source: Forrest, Forrest.jp, A Blog to Watch

(abcxyz)

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