二つの顔を持つ時計。カメラのシャッター羽根機構でシンプル文字盤とクロノグラフを切り替えるDeux Watchesがキャンペーン中。



Sponsored by Deux Watches

「二つの顔を持つ時計」といったときに、多くの人の頭に浮かぶのはJaeger-LeCoultreの反転式時計レベルソかもしれない。はたまた、文字盤を好きに入れ替えることのできるスマートウォッチかもしれない。Deux Watchesの送る「Deux Collection」では、カメラのシャッター羽根/絞り羽根(Diaphragm shutter)の構造を利用して、「シンプルな三針の文字盤」と「5針+日付窓のクロノグラフ文字盤」の二つを使い分けられる腕時計だ。

今回は、既にKickstarterで目標金額の倍以上の金額を達成しているこの腕時計をご紹介していこう。



Deux Collection



今回Kickstarterキャンペーンでリワードとして用意されている時計にはムーブメント違いで3つのタイプがある。価格の低い順に、Miyota 9122採用の「DEUX CHIMERA」、Seiko NE86採用の「DEUX JANUS」、Sellita SW500採用の「DEUX JANUS ELITE」だ。

今回は特にNE86採用の「DEUX JANUS」とSW500採用の「DEUX JANUS ELITE」に注目してご紹介する。ムーブメント以外の違いとして、文字盤部分も多少異なるほか、「DEUX CHIMERA」以外の2モデルには裏蓋に刻印が施される。

NE86は最近では日本のカスタマイズ時計メーカー、モノローグが採用したことでも知られる。Sellita SW500は特に信頼性、耐久度が高いとされ、TAG HeuerやSinnなどの有名ブランドも使用するムーブメントだ。


二つの顔を持つ時計




「二つの顔」を可能にするのは、ケースのベゼル部分の回転と連動した文字盤内の20枚のシャッター羽根の開閉だ。


こちらの写真はシャッター羽根が閉じた状態。分厚いコインエッジベゼルが無骨な感じではあるものの、文字盤はミニマリスティックなシンプルな印象。シャッター羽根が形作る漆黒の文字盤の外周に位置するダイヤルリングには4分の1秒、1秒、5秒の各間隔に目盛りが記されている。赤い針は秒針ではなく、クロノグラフ用の60秒針だ。時分針は中抜きが施されたペンシル型となっている。


ベゼルを反時計回りに回転させると、文字盤内部のシャッター羽根が開き、文字盤の印象が様変わり。誰がどう見てもスポーティーなクロノグラフウォッチだ。この状態での文字盤はモデルによって少々違うのでそれぞれ見てみよう。


Seiko NE86採用の「DEUX JANUS」は、3時位置にスモールセコンドダイヤル(秒針)、9時位置にクロノグラフダイヤル30分ダイヤル、そして6時位置には日付窓を備える。NE86は34石のムーブメントで、パワーリザーブは45時間で振動数は28,800bph。ケース幅は43mm。


Sellita SW500の「DEUX JANUS ELITE」モデルは、3時には日付と曜日がともに表示されるデイ・デイト窓。6時位置にはクロノグラフ12時間計、9時にスモールセコンド、そして12時にクロノグラフ30分計を備える。こちらは25石、パワーリザーブ42時間で振動数は同じく28,800bph。ムーブメントの大きさによりこちらは微妙にケース幅が広くなっており、44mmとなっている。


共通する要素としては、クロノグラフダイヤル状の外周のインデックスは立体的なアラビア数字。スモールダイヤルの針はどれも赤で、スモールダイヤルには30分割目盛りの付いた内側に傾斜するダイヤルリング、その内側のインデックスは6分割されており、数字と線状のインデックスが交互に配されている。


この時計はただの奇抜なギミック時計には終らず、きちんとした性能を備えている。風防はサファイアクリスタル製。ケースとベゼルは共に、耐久性のあるテンパー処理された316Lステンレススチール製。裏面はレーザー刻印。特徴であるシャッター羽根は黒くプレーティングされた1.4310ステンレススチール製となっている。


裏面はどれもオープンケースバックとなっており、内部のムーブメントを愉しむことができる。


レザーストラップはスポーティなデザイン。イタリアンレザーを使用し、手縫いで仕上げられている。

なお、当初メタルストラップは「DEUX JANUS」と「DEUX JANUS ELITE」には無料で付いてくるものの、「DEUX CHIMERA」ではアドオンとして追加購入しなければならないものであったが、ストレッチゴールとして全てのモデルにメタルストラップ(と未だ未決定ながら他にも何らかのおまけ)が無料で付いてくることになった。


色はケースとベゼルが共にブラックのモデル、共にシルバーのモデル、そしてケースがブラックでベゼルがローズゴールド色のモデルが用意されている。レザーストラップはブラックのみだが、メタルストラップにはブラックとシルバーの2色が存在する。


まとめ




時を示す道具としてのシンプルな顔と、時を測る道具としての複雑性を持った顔。この二つの異なる顔を瞬時に切り替えることができるというのはなによりもこのDeux Collectionの売りだ。

個人的にもクロノグラフの実用性は好きで、時間を計ったりするのによく使う。だが、純粋に現在時刻を知りたい時には、クロノグラフの針やインデックスといった要素は情報量が多すぎ、可視性の妨げとなってしまう。


これはもちろんこのような着用者視点のユーザビリティーへの影響だけではなく、ファッションとしての時計という意味にも影響を与える要素だ。つまり、シンプルな文字盤の時計が適するオケージョンと、クロノグラフダイヤルを見せることで印象を与えるオケージョンだ。Deux Collectionではこれらを瞬時に切り替えることができるだけでなく、その切り替えのアクションを見せることで注目を集める事もできる。


もう一つ面白い点は、このコレクションが3つの異なるムーブメントを提供していると言うことだ。しかも、一つのデザインの時計に対し異なるムーブメントオプションがある場合、その多くは「安価で正確なクオーツと、時計好き向けに機械式」である場合が多いのだが、Deux Watchesの場合は3つどれもが機械式自動巻きムーブメントということ。基本のデザインは共通しながらも、価格帯の違う(そして一部文字盤要素も異なる)ムーブメントが用意されているので、時計ファンであれば好みのムーブメントメーカーのものを選ぶも良し(複数手に入れて「やっぱりこのメーカーの方が正確だなぁ」なんて計測するのも楽しそうだ)、微妙な文字盤のデザインの違いで選ぶも良し。

キャンペーンはあと19日を残して既に目標金額の220%を超える資金を集めている。




Image courtesy of Deux Watches

Source: Kickstarter

(abcxyz)

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