耐水・スタイル切り替え・Qi充電。スタイリッシュなケースに身を包む、レトロでありながらも現代的なニキシー管腕時計「VULCAN」


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先日もニキシー管を使った腕時計プロジェクトを紹介したが、今回の物はニキシー管の持つ古風で温かみのある光はそのままに、耐水性のステンレススチール製ケースに、竜頭を使用した設定変更、表示切り替え時のアニメーションスタイルの設定切り替え、ワイヤレス充電など、見た目も中身も違う物。ニキシー管腕時計と実用性という、ある意味相反する要素を追求するVulcan Watchが現在Kickstarterでキャンペーンを展開中の「VULCAN」をご紹介しよう。



Vulcan Watch




カナダはバンクーバーをベースに活躍するVulcan Watchは、少人数のデザインチーム。そんな彼らが3年かけて、ある意味「時代遅れ」のニキシー管に新たな息吹を吹き込んだのが今回のVULCANだ。Vulcan Watchの目標は、大きさ、素材や使用感、そして価格にも気を配りながら、ニキシー管腕時計をよりスタイリッシュにすること。

こうして作られた「VULCAN」、その詳細を見ていこう。

VULCAN



横47mm、ラグからラグまで53mm、厚さは16.5mmの美しい316Lステンレススチール製ケースには、二本の5870シリーズのニキシー管が収納され、時を表示する。使用するニキシー管は現在手に入る中でも最も小さい物ということで、ケース幅47mmというサイズも大きめの時計の部類ではあるものの、従来のニキシー管腕時計でよくあるほどのあり得ない大きさではないことも重要なポイントだ。



風防は反射防止加工と疎油加工がなされたサファイアクリスタル製となっている。内蔵バッテリーは200mAhのリチウムポリマー電池で、今年8月時点の古いモデルでのテストでは、一度のフル充電で1500回の時間表示が可能。一日50回時間確認しても1ヶ月はバッテリー残量が持つ換算だ。バッテリー効率についてはVulcan Watchが重要視するところでもあり、以降さらに改善されているという。フル充電には2時間かかる。長く感じられるかもしれないが、これはバッテリーの寿命をなるべく長くするために意図的にゆっくり充電するためだ。毎日2時間充電する必要があれば考え物だが、たった1ヶ月に一度の2時間充電で良いのだから十分実用的だ。


時間を表示するには竜頭の上のボタンを押すようになっている。このほかにも、VULCANには加速度計が内蔵されており、腕を傾けて表示させることも可能。ボタンを押さなければいけないのは不便だと考える人には、腕を傾けるだけで時間表示ができる機能を便利と考える人もいるだろうし、ふとした拍子に表示されてしまうのが嫌だという人もいるだろうが、この機能は両者どちらにとっても嬉しいことにオンオフ可能となっている。

時間の表示は時間、分の順に表示がなされ、24時間表示と12時間表示の両方が可能で、本体の詳細設定で変更可能。設定により秒も表示することも可能だ。なお、現在まだソフトウェア面は調整中なので、製品版で全く同じ操作や使用となるとは限らないが、機能を紹介する動画も公開されているので見てみよう。


設定はボタンに加え、アナログ腕時計と同じよう竜頭を回転させることで時間その他の設定を変更するようになっている。これは直感的でわかりやすい。設定からはバッテリー残量も表示することができるほか、設定では明るさを変更することもできるのも面白い点だ。

Qiワイヤレス充電に対応しているのは利便性の面で優れているだろう。1ヶ月バッテリーが持つとは言え、このように時折充電を必要とするデバイスに置いて、充電の容易さはユーザビリティーの面でとても大きな意味を持つ。他のニキシー管腕時計はUSBケーブルを腕時計本体に繋げるものが多いが、ワイヤレス充電に対応することで、充電のためにケーブルを繋ぐ手間が掛からなくて済むのは良い点だ。なお、ワイヤレス充電ドックとUSBケーブルも付属する。背面はシルクスクリーン印刷のなされたガラスがはめ込まれ、そこにロゴ類が入れ込まれる予定となっている。

ソフト面で一番面白いのは、ニキシー管の時間表示時に、数字が切り替わる際のアニメーションのスタイルを6種類の中から変更可能であることだろう。


シンプルに数字が瞬時に切り替わる「標準」モード、表示されていた文字が徐々にフェードアウトして新しい文字がフェードインする「フェード」、前の表示がフェードアウトするる前に次の表示がフェードインする「クロスフェード」、高速で順繰りに数字が表示された後に次の表示が出る「スロット」、ランダムな文字が連続して表示された後次の文字が出る「ランダム」、まるでネオンのように点滅してから切り替わる「ネオンフリッカー」、ちょっと故障したかのような感じで前の文字と新しい文字がチカチカと表示を繰り返した後に切り替わる「グリッチ」。これだけ種類があると時々設定を変えて楽しめそうだ。

また設定からは「ショーケースモード」にもアクセスできる。これは常にオン状態となり、ユーザーが表示される数字を自由に変更できるモード。ゆっくりニキシー管の明かりを眺めるにも、知り合いにニキシー管腕時計の魅力を説明するにも使えるモードだ。

なおクイックディスプレイモードというモードでは、切り替わりアニメーションなしで1秒以内に素早く時間と分を表示することができる。これは運転中の時間確認など、さっと時間を確認する必要がある状況で使用するための機能。だがもしも見逃してしまった際には10秒以内に再度時間表示を行うことで、よりゆっくり時間を表示する通常表示モードで時が示される。


また、日常生活レベルの耐水性があるのも凄いところだ。


高電圧で繊細な部品が入っているため「この腕時計は防水ではないのであくまでも長時間水中につけないように忠告する」としながらも、水に浸かってしまっても耐えられるほどの耐水性はあるとしており、テスト動画では水を注ぎ入れられてもなお時間表示ができるところを見せつけている。製品として証明が得られるか現時点では不明だが、一応ケースは5ATM基準を目安に製作されている。耐水性を求めるのもなにもニキシー管ダイバーウォッチを作りたいからではなく、製品寿命と信頼性をできるだけ高めたいからというのがその目的だ。だがおかげで日常生活で経験するような水滴の跳ねかかりや雨程度では問題無く使用できる防滴・防雨性能をもつということ。



ストラップは普通の22mm腕時計ストラップが取り付けられるので、好きなストラップに自由に付け替えることが可能だ。Kickstarterキャンペーンでは、シルバーもしくはブラックの筐体の色に合わせたメタルストラップ(調整ツール付き!)とレザーストラップの両方が付いてくる。


まとめ



これまでにも様々なニキシー管腕時計が世に出てきたが、どれも言わば奇抜性やファッションアイテムとしての意味合いが強く、そこに使い勝手や実用性を追求したものは少なかった。しかしVULCANには、ハード面でもソフト面でも、これまでのニキシー管腕時計で見られなかったような洗練が見て取れる。安っぽさを感じないステンレススチール製ケース、耐水性能、そしてワイヤレス充電に、竜頭を用いた独特の操作での設定変更、そして表示される数字が切り替わる際のアニメーションスタイルを変化させる事ができるという点。そのなかでも特に評価すべきなのは、日常的な使用に強く関わってくる耐水性能とワイヤレス充電という機能の存在だろう。


また、単純に見た目に関しても、ニキシー管腕時計でありながら、あり得ないほど大きすぎることなく、ステンレススチールケースにメタルストラップをつければスタイリッシュですらある。四角いケース/文字盤はなんだかAppleWatchを彷彿とさせながらも、その中から時刻を知らせるのはニキシー管独特の暖かく、立体的な輝き。

実は価格も凄くて、7~8万円台のニキシー管腕時計が多い中でこれだけの機能を備えながらも650CAD、日本円にして約5万3000円というのは、単純化と低価格を目指したNixoidの安さには及ばないものの凄いところだ。なおVULCANのこの価格には送料も込まれており、さらには生涯補償(lifetime warranty)もついている。


現在Vulcan WatchのKickstarterキャンペーンは資金調達締め切りまで23日を残し目標金額の35%を集めている。

腕時計ファンとして個人的には、ニキシー管腕時計という言わばニッチな種類の腕時計にもこうして様々な特徴を持った会社が複数出てきている現状は嬉しく思うと共に、ニキシー管腕時計の機能性能面の向上を目指すVulcan Watchの将来にも期待したいところだ。




Image courtesy of Vulcan Watch

Source: Vulcan Watch, Kickstarter

(abcxyz)

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