デザイン賞も受賞する斬新な時間表示システム、スイスDWISS社の腕時計RS1 AUTOMATIC提供レビュー


伝統的なスイスの時計作りに新たなデザインアイデアで革新をもたらそうとするDWISS社。今回は同社のR1コレクションより、数々のデザイン賞を受賞してきた同社の斬新で目を惹く時間表示システムを搭載したアイコニックな腕時計、RS1 AUTOMATICをレビューさせていただく。

また11月23日から11月26日までの期間限定で行われるDWISSの特別ディスカウントキャンペーンについても最後にご紹介するのでお見逃し無く。



DWISS




DWISSはDesign Watch Independent Switzerlandのの頭文字から取られた社名。スイス製でありながらも革新的な時計を目指してRafael Simoes Mirandaにより2011年に創業された。

創業と同年に発表された同社初の腕時計「M1」も、クラシカルなスイス製自動巻きムーブメントETA 2824を内蔵しながら、M2シリーズにも見られる独特のデザイン要素や、ラバーストラップにバタフライバックルという斬新なスタイルを併せ持つ革新的な物であった。その翌年DWISSが放ったモデルは更にその斬新性を増したバナジウム族元素のニオブを用いた「CLASSIQUE」というモデル。ニオブを99%用いたこの時計だが、この金属を用いて作られた時計は世界でもこれが初めてであり、このCLASSIQUEによりDWISSは創業の翌年にインターナショナルデザインアワードIDAを受賞という快挙を成し遂げている。この経歴からもDWISSが自社の時計に求める革新性と、それが客観的に評価されていることがわかるだろう。

2016年には今回ご紹介する時計でも使用されている独特の時間表示システムにより再度IDAを受賞している。更に2017年にはヨーロッパプロダクトデザインアワードePDAを欧州議会で受賞しており、2018年にも二つ目のePDAを受賞している。また、創業者自身はDWISS創業に先駆けて2006年より様々な時計ブランドに時計のデザインを行っており、Red Dot Design Awardなども受賞。

DWISSは各種デザイン賞を受賞しているのみならず、KickstarterやIndiegogoなどクラウドファンディングの世界でも成功を収めており、Kickstarterに限っても2016年を皮切りにこれまで3度のキャンペーンを実施し、全て成功させている。

また、デザイン、品質も高いラグジュアリーウォッチブランドではあるが、インターネットを通じ顧客に直販することで価格を抑えると共に、顧客が偽物を掴まされる事の無いという安全性を提供している。このようなことからも、DWISSは時計マイクロブランドとして世界的にも注目されているブランドである。


開封



黒いテクスチャ入りの化粧箱を開けると、黒い木製の箱が。箱の下には空間があり、製品版では保証書などが入っていると思われる。製造欠陥に起因する故障であれば購入から2年間は無料で修理するという国際保証が付いている。


箱を開けると黒の中からオレンジが浮かび上がるかのように現れるのが今回レビューするDWISS「DWISS RS1 AUTOMATIC」だ。早速ケースからレビューしていこう。


ケース



ケース直径は45mm、厚さは13mm。316Lステンレススチール製ケースには黒色のイオンプレーティングが施されている。風防は平らで、傷がつきずらく高価なサファイアクリスタルに反射防止ダブルコーティングが施されている。


裏蓋はシースルーとなっており、DWISSのロゴ入りのローターには、25石であること、「SWISS MADE」であることが刻印されている。裏面風防の周囲にはモデル番号である「RS1-BO-AUTOMATIC」、そして各色199本限定となっているこのモデルのシリアルナンバーもここに彫り込まれている。


使用されているのは「ワークホース・ムーブメント」との呼び声も高い信頼のムーブメント、スイス製のETA 2824-2のElabore版。Topgrade版が使用されている場合はムーブメントにその旨が記してある。28,800bpm、4Hz。パワーリザーブは約42時間。機械式時計の繊細なテンプ部分を守る衝撃保護機構Incablocも搭載されている。


ねじ込み式の竜頭の頭には「DW」のロゴ。側面は樹脂的な質感のオレンジの素材となっており、回しやすくなっている。竜頭を回して巻き上げる際には裏面風防からラチェットが動く様子を見ることが出来る。


また同じく裏面風防からはムーブメントから巻き芯が竜頭へと伸びる姿も覗き見ることができる。


面白いのはケースがケーシングリングを挟み込むような形状をしていること。側面から見ればラグの内側には空間があり、ケーシングリングの描く局面が見えるようになっていることも空間的な奥行きを出している。


ケーシングリングケースの竜頭のある側を横から見れば、ケーシングリング中央の溝はそのままに、その上下が押し出されたかのような形状で竜頭を挟み込むようにして出っ張りが出ている。

ユニークなケースだが、防水性能もしっかりしており20ATM、20気圧防水となっている。


文字盤




なんといっても印象的なのはこの文字盤だろう。時分秒針とカレンダー窓が付いているが、ぱっと見では時針も秒針も付いていないように見える。


時間部分はオレンジ色の太い帯が半分、オレンジ色の細い帯がもう半分、となったディスク状となっている。太い帯は各時間のインデックスの下を通っていき、細い方の帯は時間インデックスの内側にある4つの穴の開いた分インデックスの下を通過していく。12時のインデックスのみ形状が他と異なりロゴが入っている。



ディスクのオレンジ色の部分は(半)円状になっているのだが、ディスクよりも上に位置する立体的な盤面要素によりディスクの曲線部分は隠れるようになっている。そのため12角形の盤面の外周に位置する直方体が徐々にオレンジ色に塗り変わっていくような不思議な印象を与えるのだ。これがDWISSの特徴とも言える独特の時間表示システムだ。


このディスクが時計回りに回転するのだが、文字盤で示される12時間の中で現在を先頭にして、6時間の過去に遡る部分までを示しているのは面白い。また、GMT機構ではないが、慣れれば視覚的に現在時刻より12時間、6時間、3時間を認識するのもたやすくなり、現在時間から他国の時間を把握するのが簡単になることだろう(例えば現在フィンランド夏時間と日本時間は6時間の差があるのでこの時計で視覚的に認識しやすい)。

どの時刻に居るのかが針を用いずにわかりやすく示されるこの独特な時間表示システムだが、なんといってもその大きな利点は色合いと表示部の大きさにより一目で時分を認識できる可視性の高さだ。今何時か知りたければ周りの太いオレンジのラインを見れば、現在何時か、または何時に近いかが識別でき、何分か知りたければ矢印のように突き出た分針を見れば解る。


分針は中心から矢印状に伸びた部分。そして秒針はこれも針状ではなくディスク状で、分針の上に付いている。これは秒針と同じ形状を持つ分針のベースとなっている部材を時折隠しながら回転していく。当然ながらスイープセコンドとなっているのでスムーズに回転していく。

時間表示部より内側は、黒みがかったシースルーとなっており、外側にカレンダーディスク、その内側にはムーブメントが見えるようになっている。カレンダー窓は3時方向に白い縁取りと共に存在する。盤面がシースルーでありながらも、スモークをかけてあまりもわざとらしく内部構造を見せないことで、上品かつ全体的な色の統一感が実現されている。

その独特の時間表示構造が織りなす立体感もさることながら、細かい部分としては、12分割された文字盤最外周の全ての辺にあますこと無く白いフォントで社名と時計性能が記されているということも記しておこう。もしどれか1辺でも文字が記されていなかったら統一感が損なわれていたことだろうが、文字情報を与えつつも文字盤にディテールを与えている。このようなディテールは、針が細い時計であれば時間を読み取る邪魔にしかならなかったであろうが、このボールドな時間表示システムだからこそ活きる要素と言えるだろう。


蓄光させるとこのようになる。


ストラップ



クイックリリース式のストラップはイタリア製の生地とレザーが組み合わされた100%イタリアで手作りされているもの。そう、ストラップはただ単にイタリア産のレザーと生地を使っているだけではなく、製造も含めてイタリアで行われているのだ。異なる素材が組み合わされているというのも面白い特徴だ。


オレンジの糸とストラップ横の仕上げもオレンジ色で、時計部のカラーとマッチする。細かいこだわりとして、ベルトホールの側面までがオレンジ色となっているのには感心。外側の細かいパターンも高級感がある。


腕に触れる側はレザー、外側は生地となっており、肌に触れる側はさわり心地よく、外側はPVD(物理蒸着)された抗アレルギー、防水ストラップとなっている。使用されているレザーは柔らかいカウハイド。それも自然にも肌にも優しいが通常は高価であるため使われない植物なめしされたものが使われている。


バックルはDWISS独自の物が使われている。ケースとの統一感のある形状で、複雑かつ立体的に傾斜しており美しい。



今回レビューのものとは別に、ステンレススチール製の3リンクストラップ付属版も存在する。そちらはケースとストラップの間に隙間なくエンドリンクが位置し、ラグのラインとも美しく噛み合うようにデザインされているので購入する際にはどちらを選ぶか悩まれるとよいだろう。


まとめ



伝統的なスイスの時計作りに新たなデザインアイデアで革新をもたらそうとするDWISSのアイコニックなDWISS RS1 AUTOMATIC。

そんじょそこらの腕時計とは一目で違うことが解るユニークな文字盤。力強いボールドさのあるケースに、存在感のある色合い。受賞歴のある特徴的な時間表示システムを実現しつつ、各色僅かに199本限定の少量生産、そして高品質の素材を用いたスイス製。15万円台の価格も納得の一本だ。

また、今回レビューしたものと同じモデルでも別カラーのRS1-SL-AUTOMATIC W/ BRACELETなどだとボールドさやユニークさはそのままに、色合いはよりフォーマルな状況にも適したものとなっている。(加えて同じR1コレクションの中でも「DWISS RC1 Automatic」シリーズであれば時間表示部がローマ数字ディスクによる回転式でよりフォーマルな状況に合うだろう。)

なお今回レビューした時計と同じR1コレクションには、共通したデザイン要素が用いられているものの時間表示はより典型的な針式となっている各色999台限定のクオーツ版が4万から6万円台で販売されている。加えてR1コレクションにはトゥールビヨン版も存在する。そちらは今回レビューしたモデルと時間表示システムも共通するほか、トゥールビヨン部が文字盤から見えるようになっており、各色10本限定で価格は210万円ほどとなっている。


特別ディスカウントキャンペーン


なお、DWISSは11月23日から11月26日までの期間限定で、毎日4本のDWISS時計が特別ディスカウント価格で提供されるキャンペーンを行う予定だ。セール時に特別ディスカウントコードがもらえるメーリングリストに登録できる特設ページが開設されているので気になる方は登録しておこう。


最後にこの場をお借りしてレビューする機会を与えてくれたDWISSに感謝したい。


Source: DWISS

(abcxyz)

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