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今回はEaseUS/イーザスソフトウェアのパーティション管理ソフト『EaseUS Partition Master Professional』をご紹介しよう。今回は一部有料版を使用してのレビューとなるが、同ソフトは無料版も提供されており、日常的なパーティション管理の用途には無料版である『EaseUS Partition Master Free』でも十分事足りるものとなっている。(無料版と有料版の違いも後述している。)
その前に、そもそも「パーティション」とは何だろうか?これはパソコンの記憶領域の分割を指すものだ。例えばあなたのパソコンに「Cドライブ」と「Dドライブ」という記憶領域がある場合、これはふたつのパーティションが存在すると言える。
このパーティションは、その数だけディスク(記憶装置)があり、ディスクが別れているために別々のパーティションが存在する場合もあるし、そうでない場合もある。そうでない場合は、(物理的に対し)理論的にディスク内に記憶領域を区切る場合だ。
このようなパーティションの分割を行うことで、例えばシステムが使用するパーティションに空き容量が無くなることを防いだり(そうなるとシステムの動作が不安定になってしまうのだ)、あるパーティションで発生した障害が別のパーティションに影響を与えないようにしたりという意味がある。
前者の例として、WindowsOSではCドライブがシステムが使用するドライブとなっていることが多く、Cドライブに空き容量が不足するとソフトウェアが起動しなかったり正常に動作しなかったりする。このパソコンに一つのディスクしかない場合であっても、それをパーティション分割してCドライブに加えて例えばDドライブを作り、データの保存先をDドライブに限定することで、Dドライブが一杯になってもシステムに必要なCドライブには空き容量を確保したままとすることができるのだ。
実はこのようなパーティション管理はWindows付属の「ディスクの管理」ツールから行うことも可能だ。しかしだいぶ昔からデザインが進歩していないこのツールは初心者には手が出しづらいものだ。それにディスク管理ツールではできることも限られていたり、作業によっては多数の手数を踏まなくてはならなくなる場合もある。
そのようなパーティション管理作業をわかりやすく簡単にできるようにするのが『EaseUS Partition Master Professional』だ。もちろんソフトウェアの名前からわかるとおり、主な機能はパーティション管理だがそのほかにも色々と便利な機能を備えている。
こちらはSurface Goを使って起動したところ。ソフトの起動にはロゴが現れてから20秒ほど掛かるので気長に待とう。まずソフトを開くと現れるのがパーティション一覧が表示された画面となる。
このSurface Goは128GBのSSDを搭載しており、それが「ディスク0(GPT)」と表示されているのがわかる。「パーティション」欄を見ると、「*:SYSTEM」などに混じって「C:」というのがある。これがこのパソコンのメイン記憶領域となっている「ローカルディスク(C:)」だ。「容量」欄と「使用済み」、「未使用」欄からはこのCドライブに117.86GBの容量が割り当てられており、そのうち85.33GBが使用されていること、32.53GBの未使用部分があるということなどが判る。Surface GoのMicroSDカードポートに入ったカードも認識されており、ここでは「ディスク1(MBR)」として表示されている。
それぞれのパーティションを選択することで、左側の「操作」メニューに可能な操作が現れるといった直感的なインターフェイスとなっている。
パーティションを選択し、左側のメニューから「プロパティ」を選択すると、パーティションのタイプ、ファイルシステム(これらはメインの画面にも表示されているが、ここではより詳細な情報がわかる)、物理セクタ数、物理ジオメトリまでがわかる。
早速パーティションサイズを変更して、新たなパーティションを作ってみよう。なお先ほどまではSurface Goを用いてのスクリーンショットだが、こちらではSurface 3に外付け2.5インチSATAドライブを繋げて行っている。ちゃんと無料版でも使えることを証明するためこの部分では今回ご紹介する『EaseUS Partition Master Professional』の無料版に当たる『EaseUS Partition Master Free』を使用している。
ここでは、外付けHDDの既存パーティションのサイズを縮小して、そこに新たなドライブを作り出す操作を行う。イメージとしては、例えばこれまで一つの大きな本棚だったところに、途中に新たにフィギュアを置くことで(笑)仕切りをつくる感じだろうか。このDドライブという名の本棚の中には既に本(データ)がたくさん入っているが、最後の方に少しまだ本がおける(空き容量がある)ので、そこを区切って、最初の本収納スペースとは分けられた別の本収納スペース(新たなドライブ)を作成するのだ。
まずは既に存在するパーティション(ここでは「ディスク1」の「Dドライブ」)を選択し、左側のメニューの一番上にある「パーティションのサイ…(ズ調整/移動)」オプションを選択もしくはパーティションを右クリックして「パーティションのサイズ調整/移動」オプションを選択。
するとこの画面が表示される。パーティションのサイズの変更は視覚的にわかりやすく、パーティションサイズを数値として入力することもできるほか、マウスでドラッグしてサイズのみならずパーティションの位置(ディスクのセクタ開始・終了位置に対してどこにパーティションが位置するか)も変更可能だ。パーティションのサイズを調整すると、「未割り当て」の部位が現れるのがわかるだろう。パーティションのサイズを好きな値にして「OK」を押そう。ここでは空き容量があるDドライブを小さくしている。この余っている容量を切り出して、まずは「未割り当て」領域を作り、そこから新たなドライブを作るイメージだ。
すると先ほどは「Dドライブ」しか存在していなかった「ディスク1」に、新たに「*」というパーティション名の「未割り当て」という部分が表示されているのがわかるだろう。しかしこの状態ではまだなにも変更は成されていない。
画面左側の「保留中の操作」という箇所に「パーティションのサイズ調整…」という項目が現れているのがお判りだろう。そう、今はまだこの変更予定が作られただけの状態だ。この変更を確定するには、上のメニューにある大きめのチェックマークアイコン「変更を適用」をクリックする必要がある。
…が、その前に今度は「ディスク1」に新たにできた「未割り当て」部分にパーティションを作成しよう(別にこの段階で「変更を適用」してもよいのだが、次の手順も指示してから適応した方が変更を一度に済ませる事ができる)。イメージとしては、「未割り当て」状態は、本棚内の仕切られた何も無い空間が「本を置くための空間」ではなく「何のために存在しているのか不明だか、たしかに何も入っていない空間」であるという状態。ここにパーティションを作成することで初めてパソコンがこの仕切られた空間が本を置く場所(データを収納する場所)だとして認識でき、利用できるようになるのだ。
そのためにはこの「未割り当て」を選択し、左側のメニューまたは右クリックして出てくるメニューから「パーティションの作成」を選択しなくてはならない。
すると「ドライブレター」(「C」、「D」などドライブの頭につく文字)や「パーティションのラベル」(ドライブの名称)を変更できる画面が現れる。
ここでは「ドライブレター」を「P」に(なお、「C」など既に存在するドライブレターは選択できない)、「パーティションのラベル」は「新しいパーティション」にするとしよう。
さてここで変更を確定するとしよう。上のメニューにある大きめのチェックマークアイコン「変更を適用」をクリックする。この時点でなにかもし間違った操作をしてしまったことに気づいたら、上メニューの一番左にある「前回の変更を取り消す」ボタンを押すことで「保留中の操作」から最後に行った変更を取り消すことができる。
「変更を適用」するとこのようなポップアップが表示される。もしも作業に時間がかかる事が予測されるのであれば「変更を適用後、パソコンをシャットダウン」のオプションを活用すると、適応後に自動でパソコンがシャットダウンされるので便利だ。「OK」を押せば確定され、変更作業が行われる。
変更適応中の画面。何が行われているのか、全体の進捗状況などがわかる。
完了するとポップアップが表示され、作業の終了を知らせてくれる。「OK」を押すと、「システム情報確認中」という画面が暫く表示され、先の作業により加えられた変更を確認する。
それが終れば「保留中の操作」欄が空になり、今見ている画面が最新の状態であることがわかる。マイコンピュータを開き確認すると、「ディスク1」の部分に「Dドライブ」に加え「新しいパーティション(P:)」ができているのがわかるだろう。
なおこの操作の方法はEaseUS社も日本語の操作ガイドをウェブ上で提供しているのでそちらも参考にするとよいだろう。
このようなパーティションの作成は、デュアルブート環境の構築には欠かせない。
(Windows 7/8/8.1環境がある前提でWindows 10を入れ込むという前提のものではあるが)デュアルブート環境構築のための手順もEaseUSのウェブサイトに解説されているので興味がある方は参考にするとよいだろう。
このやりかたの理解ができれば、Windowsとそれ以外のOSをのデュアルブートだって構成できるようになるだろう。
(参考までに、Windows 10 / Surfaceデバイスでのデュアルブートに関する情報はMilk's Memo Noteの「【Ubuntu】SurfaceにUbuntuは入れられるのか?! デュアルブートを試してみる【Windows】」という投稿が詳しい)
それに加えて、例えばWindows付属の「ディスクの管理」ツールではCドライブがいっぱいだがDドライブに空きがある状態からCドライブの領域を増やすことができないが(うっかりCドライブをいっぱいにしてしまったがデータの削除もできない、という状況は十分あり得る)、『EaseUS Partition Master Professional』ではまず空きのあるDドライブから未割り当て領域を切り分けて、新たに生じる未割り当て領域をCドライブに与えることでCドライブ領域を増やすなどもできるのだ。この手順についてはEaseUSが日本語で動画を作成しているのでそちらを参考にするとよいだろう。
『EaseUS Partition Master Professional』にはパーティションを完全にクローンするパーティションクローン機能も搭載されている。これは完全なバックアップを取るのにピッタリだろう。
文章データなど、パソコン内に保存するデータだけのバックアップを取る場合は、Dropboxなどのクラウドストレージサービスなどで取るほうが便利だろうが、パーティションクローン機能では、(パーティションディスクのイメージを作成すること無しに)直接ディスクに保存されている全てを丸々バックアップすることができるのだ。この方法もEaseUSのウェブサイトで手順が解説されている。
パーティションの不良セクタ、ファイルシステムエラー、その他のディスクエラーを検出し修正する機能もついている。
まずはパーティションプロパティのチェック、続いてChkdsk.exeを使用して検出されたエラーの修正、そしてセクターエラーのあるディスクやパーティションの検査となる「サーフェーステスト」が行われる。画像はサーフェーステストの様子。
誤ってパーティション管理テーブルを削除したり、ウイルスなどによりパーティション管理テーブルが破壊されてしまった場合でも、このソフトではこれを復元することができる。
とは言ってもこれはデータの復元では無いと言うことに注意して戴きたい。このソフトが復元できるのは、データは残っているが、何らかの原因でパーティションを管理するテーブルが消失している場合だ。そうなると、パーティションが見えなくなるため、ディスクの中身が無くなったように見えるのだ。しかしテーブルが消失している場合はこれを復元することで中に残るデータを確認できるようになる。
中身が見えなくなってしまったディスクがあったら、パーティションの復元を試してみるのもいいだろう。
通常、ダイナミックディスクをベーシックディスクに変換する際には、ボリュームを削除し保存されたデータを消してからでないと行うことはできない。しかし『EaseUS Partition Master Professional』ではデータを残したままダイナミックディスクからベーシックディスクへと変換することができるのだ。(それでも念のため、操作前にはデータのバックアップを取ることが推薦されている)
また、間接的にミラーリングされたボリュームを含むダイナミックディスクであっても、ディスク管理ツールからミラーボリュームの解除を行ってからベーシックディスク変換作業を行うことで変換が可能となっている。この方法もEaseUSのウェブサイトで解説されている。
このソフトでは他にもディスクやUSBメモリからデータを完全に削除するための機能がついている。この方法でデータ削除を行えば、データ復旧ソフトやデータ復旧業者でもデータを復元する事が不能だとのことなので、使わなくなったディスクやUSBメモリを他人に譲渡する時などにこれを行えば安全だろう。ただ、一度完全削除してしまえばデータが復元できなくなるわけなのでお気をつけて。
なお『EaseUS Partition Master Professional』ではパーティションを選択し「パーティションを閲覧」することで、直接ソフト内で中のフォルダを見ることも出来る。地味だがわざわざWindowsのエクスプローラーでフォルダを開かずに中に何が入っているパーティションなのか閲覧できるのは便利だ。もしデータ削除をすることがあるのであれば削除の前にこの機能を活用して重要なデータが入っていないか確認すると良いだろう。
これまで述べてきたようなパーティション管理に直接関連した機能の他にも、便利な機能として「クリーンアップと最適化」ウィザードというものも含まれている。
このウィザードを起動すると「ジャンクファイルクリーン」、「大容量ファイルクリーンアップ」、「ディスク最適化」のオプションが表示される。
「ジャンクファイルクリーン」では様々なジャンクファイルを一度に削除することが可能だ。それぞれの大項目を展開することで細かく削除するファイルを選別することもできる。
「大容量ファイルクリーンアップ」では容量の大きなファイルを簡単に検索して削除できる。削除するファイルはそれが何であるかきちんと理解してから削除するよう注意する必要があるだろう(ここではゲーム『Fallout 4』のファイルが巨大であることがわかるだろう)。だが知らないうちに巨大なファイルが探し出すのが難しいフォルダ階層の奥深くに作られていたりすることもあるので、そういったものを探すだすには便利かもしれない。
「ディスク最適化」は所謂デフラグ。分析することで断片化の度合いを調べ、最適化することが可能。
これまで紹介してきたことはEaseUS公式サイトからダウンロードできる無料版『EaseUS Partition Master Free』でも行うことができることとなっている。なんとも太っ腹だ。それでは有料版は無料版とどう違うのか。違いは以下の点だ:
・容量制限無し(無料版はディスク容量の制限が8TBまで)
・ダイナミックディスクでボリュームを作成
・商用利用
・SSD/HDDまでOSを移行(システムを再インストールせずに、OS及び関連設定をSSD/HDDまで移行)
・コマンドラインに対応
・ダイナミックボリュームをリサイズ
・Win PEブータブルディスク作成
・無料技術サポート
つまり、あまり専門的なことをしない人には無料版十分事足りるが、沢山のディスクを管理しなければいけない人や、会社でパソコン担当にされてしまった人、仕事で多数のコンピューターを管理する人に取ってはプロ仕様の有料版が適しているということだろう。ただ、パーティション管理のプロでないという人にとっても、無料技術サポートやシステムの再インストールなしにOSと設定をSSD/HDDに移行できるというのは魅力的であるので、そういう方も購入を検討されると良いかもしれない。
また、有料版は追加料金無しで将来の無料アップグレードを受けることができるオプションが存在する。このオプション自体は有料であり、将来パーティション管理をする予定がないという方はオプションを選択しないことで安く済ませることができるし、将来もソフトを使う予定の方はオプションを選択する事で、将来のアップグレードを無料で受けることができる。
なお有料版にも実は3種類が存在し、『Partition Master Professional』の機能に更に「Windows Server 2003/2008/2012を含め、サーバー環境へのサポート」、「RAID 5ボリュームの修復」の機能が付加された『Partition Master Server』、そしてこれに更に「社内での使用回数に制限なし」となった『Partition Master Unlimited』がある。
『EaseUS Partition Master Professional』は一つのソフトウェアでパーティション関連の様々な作業を完結させることができる製品だと言える。しかも先に述べたようにそのほとんどの機能が無料版でも使用できるというのも大きな点である。上記したようなパーティション管理に関わる機能を使用する必要があるという方がおられたらまず試してみられると良いだろう。
特に便利なのは、直感的なインターフェイス(パーティションサイズの変更・新規作成)、通常用意されている環境では手順が多く掛かる作業を行うことができること(データ損失無しでダイナミックディスクをベーシックディスクに変換、いっぱいになったCドライブを増やす)、そして先に述べたとおりパーティション関連の作業に必要なツールが一つのソフトウェアで完結する点だ。
ここで紹介した以上にも、ファイルシステムをFATからNTFSに変更したり、データ損失なしでMBRディスクとGPTディスクを相互変換、指定されたパーティションを他のパーティション或いはディスクにコピー、ダイナミックディスクのリサイズなどにも対応しており、趣味でパソコンをいじるのが好きな方からプロとしてパーティション管理をせねばならない人まで幅広いニーズに応えることができるソフトウェアだと言えるだろう。
なおこのソフトは動作環境がWindows XP、Vista、7、8から10まで幅広いOSに対応している点、ハードウェアの必要環境もCPUがx86系以上、500 MHz、RAMが512MB以上、ディスク空き容量100MB以上、とかなり幅広い動作環境をサポートしていることも特筆すべきだろう。
(なおEaseUS社からは以前にも『Todo Backup Workstation』のレビューを執筆させて戴いている。バックアップやHDDをSSDに移行するためにデータのコピーを行う場合にはそちらを使うとよいだろう。)
Source: EaseUS
(abcxyz)
今回はEaseUS/イーザスソフトウェアのパーティション管理ソフト『EaseUS Partition Master Professional』をご紹介しよう。今回は一部有料版を使用してのレビューとなるが、同ソフトは無料版も提供されており、日常的なパーティション管理の用途には無料版である『EaseUS Partition Master Free』でも十分事足りるものとなっている。(無料版と有料版の違いも後述している。)
パーティションとは
その前に、そもそも「パーティション」とは何だろうか?これはパソコンの記憶領域の分割を指すものだ。例えばあなたのパソコンに「Cドライブ」と「Dドライブ」という記憶領域がある場合、これはふたつのパーティションが存在すると言える。
このパーティションは、その数だけディスク(記憶装置)があり、ディスクが別れているために別々のパーティションが存在する場合もあるし、そうでない場合もある。そうでない場合は、(物理的に対し)理論的にディスク内に記憶領域を区切る場合だ。
このようなパーティションの分割を行うことで、例えばシステムが使用するパーティションに空き容量が無くなることを防いだり(そうなるとシステムの動作が不安定になってしまうのだ)、あるパーティションで発生した障害が別のパーティションに影響を与えないようにしたりという意味がある。
前者の例として、WindowsOSではCドライブがシステムが使用するドライブとなっていることが多く、Cドライブに空き容量が不足するとソフトウェアが起動しなかったり正常に動作しなかったりする。このパソコンに一つのディスクしかない場合であっても、それをパーティション分割してCドライブに加えて例えばDドライブを作り、データの保存先をDドライブに限定することで、Dドライブが一杯になってもシステムに必要なCドライブには空き容量を確保したままとすることができるのだ。
『EaseUS Partition Master Professional』
実はこのようなパーティション管理はWindows付属の「ディスクの管理」ツールから行うことも可能だ。しかしだいぶ昔からデザインが進歩していないこのツールは初心者には手が出しづらいものだ。それにディスク管理ツールではできることも限られていたり、作業によっては多数の手数を踏まなくてはならなくなる場合もある。
そのようなパーティション管理作業をわかりやすく簡単にできるようにするのが『EaseUS Partition Master Professional』だ。もちろんソフトウェアの名前からわかるとおり、主な機能はパーティション管理だがそのほかにも色々と便利な機能を備えている。
こちらはSurface Goを使って起動したところ。ソフトの起動にはロゴが現れてから20秒ほど掛かるので気長に待とう。まずソフトを開くと現れるのがパーティション一覧が表示された画面となる。
このSurface Goは128GBのSSDを搭載しており、それが「ディスク0(GPT)」と表示されているのがわかる。「パーティション」欄を見ると、「*:SYSTEM」などに混じって「C:」というのがある。これがこのパソコンのメイン記憶領域となっている「ローカルディスク(C:)」だ。「容量」欄と「使用済み」、「未使用」欄からはこのCドライブに117.86GBの容量が割り当てられており、そのうち85.33GBが使用されていること、32.53GBの未使用部分があるということなどが判る。Surface GoのMicroSDカードポートに入ったカードも認識されており、ここでは「ディスク1(MBR)」として表示されている。
それぞれのパーティションを選択することで、左側の「操作」メニューに可能な操作が現れるといった直感的なインターフェイスとなっている。
パーティションを選択し、左側のメニューから「プロパティ」を選択すると、パーティションのタイプ、ファイルシステム(これらはメインの画面にも表示されているが、ここではより詳細な情報がわかる)、物理セクタ数、物理ジオメトリまでがわかる。
パーティションサイズの変更・新規作成
早速パーティションサイズを変更して、新たなパーティションを作ってみよう。なお先ほどまではSurface Goを用いてのスクリーンショットだが、こちらではSurface 3に外付け2.5インチSATAドライブを繋げて行っている。ちゃんと無料版でも使えることを証明するためこの部分では今回ご紹介する『EaseUS Partition Master Professional』の無料版に当たる『EaseUS Partition Master Free』を使用している。
ここでは、外付けHDDの既存パーティションのサイズを縮小して、そこに新たなドライブを作り出す操作を行う。イメージとしては、例えばこれまで一つの大きな本棚だったところに、途中に新たにフィギュアを置くことで(笑)仕切りをつくる感じだろうか。このDドライブという名の本棚の中には既に本(データ)がたくさん入っているが、最後の方に少しまだ本がおける(空き容量がある)ので、そこを区切って、最初の本収納スペースとは分けられた別の本収納スペース(新たなドライブ)を作成するのだ。
まずは既に存在するパーティション(ここでは「ディスク1」の「Dドライブ」)を選択し、左側のメニューの一番上にある「パーティションのサイ…(ズ調整/移動)」オプションを選択もしくはパーティションを右クリックして「パーティションのサイズ調整/移動」オプションを選択。
するとこの画面が表示される。パーティションのサイズの変更は視覚的にわかりやすく、パーティションサイズを数値として入力することもできるほか、マウスでドラッグしてサイズのみならずパーティションの位置(ディスクのセクタ開始・終了位置に対してどこにパーティションが位置するか)も変更可能だ。パーティションのサイズを調整すると、「未割り当て」の部位が現れるのがわかるだろう。パーティションのサイズを好きな値にして「OK」を押そう。ここでは空き容量があるDドライブを小さくしている。この余っている容量を切り出して、まずは「未割り当て」領域を作り、そこから新たなドライブを作るイメージだ。
すると先ほどは「Dドライブ」しか存在していなかった「ディスク1」に、新たに「*」というパーティション名の「未割り当て」という部分が表示されているのがわかるだろう。しかしこの状態ではまだなにも変更は成されていない。
画面左側の「保留中の操作」という箇所に「パーティションのサイズ調整…」という項目が現れているのがお判りだろう。そう、今はまだこの変更予定が作られただけの状態だ。この変更を確定するには、上のメニューにある大きめのチェックマークアイコン「変更を適用」をクリックする必要がある。
…が、その前に今度は「ディスク1」に新たにできた「未割り当て」部分にパーティションを作成しよう(別にこの段階で「変更を適用」してもよいのだが、次の手順も指示してから適応した方が変更を一度に済ませる事ができる)。イメージとしては、「未割り当て」状態は、本棚内の仕切られた何も無い空間が「本を置くための空間」ではなく「何のために存在しているのか不明だか、たしかに何も入っていない空間」であるという状態。ここにパーティションを作成することで初めてパソコンがこの仕切られた空間が本を置く場所(データを収納する場所)だとして認識でき、利用できるようになるのだ。
そのためにはこの「未割り当て」を選択し、左側のメニューまたは右クリックして出てくるメニューから「パーティションの作成」を選択しなくてはならない。
すると「ドライブレター」(「C」、「D」などドライブの頭につく文字)や「パーティションのラベル」(ドライブの名称)を変更できる画面が現れる。
ここでは「ドライブレター」を「P」に(なお、「C」など既に存在するドライブレターは選択できない)、「パーティションのラベル」は「新しいパーティション」にするとしよう。
さてここで変更を確定するとしよう。上のメニューにある大きめのチェックマークアイコン「変更を適用」をクリックする。この時点でなにかもし間違った操作をしてしまったことに気づいたら、上メニューの一番左にある「前回の変更を取り消す」ボタンを押すことで「保留中の操作」から最後に行った変更を取り消すことができる。
「変更を適用」するとこのようなポップアップが表示される。もしも作業に時間がかかる事が予測されるのであれば「変更を適用後、パソコンをシャットダウン」のオプションを活用すると、適応後に自動でパソコンがシャットダウンされるので便利だ。「OK」を押せば確定され、変更作業が行われる。
変更適応中の画面。何が行われているのか、全体の進捗状況などがわかる。
完了するとポップアップが表示され、作業の終了を知らせてくれる。「OK」を押すと、「システム情報確認中」という画面が暫く表示され、先の作業により加えられた変更を確認する。
それが終れば「保留中の操作」欄が空になり、今見ている画面が最新の状態であることがわかる。マイコンピュータを開き確認すると、「ディスク1」の部分に「Dドライブ」に加え「新しいパーティション(P:)」ができているのがわかるだろう。
なおこの操作の方法はEaseUS社も日本語の操作ガイドをウェブ上で提供しているのでそちらも参考にするとよいだろう。
デュアルブート環境の構築
このようなパーティションの作成は、デュアルブート環境の構築には欠かせない。
(Windows 7/8/8.1環境がある前提でWindows 10を入れ込むという前提のものではあるが)デュアルブート環境構築のための手順もEaseUSのウェブサイトに解説されているので興味がある方は参考にするとよいだろう。
このやりかたの理解ができれば、Windowsとそれ以外のOSをのデュアルブートだって構成できるようになるだろう。
(参考までに、Windows 10 / Surfaceデバイスでのデュアルブートに関する情報はMilk's Memo Noteの「【Ubuntu】SurfaceにUbuntuは入れられるのか?! デュアルブートを試してみる【Windows】」という投稿が詳しい)
いっぱいになったCドライブを増やす
それに加えて、例えばWindows付属の「ディスクの管理」ツールではCドライブがいっぱいだがDドライブに空きがある状態からCドライブの領域を増やすことができないが(うっかりCドライブをいっぱいにしてしまったがデータの削除もできない、という状況は十分あり得る)、『EaseUS Partition Master Professional』ではまず空きのあるDドライブから未割り当て領域を切り分けて、新たに生じる未割り当て領域をCドライブに与えることでCドライブ領域を増やすなどもできるのだ。この手順についてはEaseUSが日本語で動画を作成しているのでそちらを参考にするとよいだろう。
パーティションクローン機能
『EaseUS Partition Master Professional』にはパーティションを完全にクローンするパーティションクローン機能も搭載されている。これは完全なバックアップを取るのにピッタリだろう。
文章データなど、パソコン内に保存するデータだけのバックアップを取る場合は、Dropboxなどのクラウドストレージサービスなどで取るほうが便利だろうが、パーティションクローン機能では、(パーティションディスクのイメージを作成すること無しに)直接ディスクに保存されている全てを丸々バックアップすることができるのだ。この方法もEaseUSのウェブサイトで手順が解説されている。
パーティションのチェック
パーティションの不良セクタ、ファイルシステムエラー、その他のディスクエラーを検出し修正する機能もついている。
まずはパーティションプロパティのチェック、続いてChkdsk.exeを使用して検出されたエラーの修正、そしてセクターエラーのあるディスクやパーティションの検査となる「サーフェーステスト」が行われる。画像はサーフェーステストの様子。
パーティションの復元
誤ってパーティション管理テーブルを削除したり、ウイルスなどによりパーティション管理テーブルが破壊されてしまった場合でも、このソフトではこれを復元することができる。
とは言ってもこれはデータの復元では無いと言うことに注意して戴きたい。このソフトが復元できるのは、データは残っているが、何らかの原因でパーティションを管理するテーブルが消失している場合だ。そうなると、パーティションが見えなくなるため、ディスクの中身が無くなったように見えるのだ。しかしテーブルが消失している場合はこれを復元することで中に残るデータを確認できるようになる。
中身が見えなくなってしまったディスクがあったら、パーティションの復元を試してみるのもいいだろう。
データ損失無しでダイナミックディスクをベーシックディスクに変換
通常、ダイナミックディスクをベーシックディスクに変換する際には、ボリュームを削除し保存されたデータを消してからでないと行うことはできない。しかし『EaseUS Partition Master Professional』ではデータを残したままダイナミックディスクからベーシックディスクへと変換することができるのだ。(それでも念のため、操作前にはデータのバックアップを取ることが推薦されている)
また、間接的にミラーリングされたボリュームを含むダイナミックディスクであっても、ディスク管理ツールからミラーボリュームの解除を行ってからベーシックディスク変換作業を行うことで変換が可能となっている。この方法もEaseUSのウェブサイトで解説されている。
ディスクやUSBのデータ完全削除
このソフトでは他にもディスクやUSBメモリからデータを完全に削除するための機能がついている。この方法でデータ削除を行えば、データ復旧ソフトやデータ復旧業者でもデータを復元する事が不能だとのことなので、使わなくなったディスクやUSBメモリを他人に譲渡する時などにこれを行えば安全だろう。ただ、一度完全削除してしまえばデータが復元できなくなるわけなのでお気をつけて。
なお『EaseUS Partition Master Professional』ではパーティションを選択し「パーティションを閲覧」することで、直接ソフト内で中のフォルダを見ることも出来る。地味だがわざわざWindowsのエクスプローラーでフォルダを開かずに中に何が入っているパーティションなのか閲覧できるのは便利だ。もしデータ削除をすることがあるのであれば削除の前にこの機能を活用して重要なデータが入っていないか確認すると良いだろう。
クリーンアップと最適化
これまで述べてきたようなパーティション管理に直接関連した機能の他にも、便利な機能として「クリーンアップと最適化」ウィザードというものも含まれている。
このウィザードを起動すると「ジャンクファイルクリーン」、「大容量ファイルクリーンアップ」、「ディスク最適化」のオプションが表示される。
「ジャンクファイルクリーン」では様々なジャンクファイルを一度に削除することが可能だ。それぞれの大項目を展開することで細かく削除するファイルを選別することもできる。
「大容量ファイルクリーンアップ」では容量の大きなファイルを簡単に検索して削除できる。削除するファイルはそれが何であるかきちんと理解してから削除するよう注意する必要があるだろう(ここではゲーム『Fallout 4』のファイルが巨大であることがわかるだろう)。だが知らないうちに巨大なファイルが探し出すのが難しいフォルダ階層の奥深くに作られていたりすることもあるので、そういったものを探すだすには便利かもしれない。
「ディスク最適化」は所謂デフラグ。分析することで断片化の度合いを調べ、最適化することが可能。
無料版と有料版の違い
これまで紹介してきたことはEaseUS公式サイトからダウンロードできる無料版『EaseUS Partition Master Free』でも行うことができることとなっている。なんとも太っ腹だ。それでは有料版は無料版とどう違うのか。違いは以下の点だ:
・容量制限無し(無料版はディスク容量の制限が8TBまで)
・ダイナミックディスクでボリュームを作成
・商用利用
・SSD/HDDまでOSを移行(システムを再インストールせずに、OS及び関連設定をSSD/HDDまで移行)
・コマンドラインに対応
・ダイナミックボリュームをリサイズ
・Win PEブータブルディスク作成
・無料技術サポート
つまり、あまり専門的なことをしない人には無料版十分事足りるが、沢山のディスクを管理しなければいけない人や、会社でパソコン担当にされてしまった人、仕事で多数のコンピューターを管理する人に取ってはプロ仕様の有料版が適しているということだろう。ただ、パーティション管理のプロでないという人にとっても、無料技術サポートやシステムの再インストールなしにOSと設定をSSD/HDDに移行できるというのは魅力的であるので、そういう方も購入を検討されると良いかもしれない。
また、有料版は追加料金無しで将来の無料アップグレードを受けることができるオプションが存在する。このオプション自体は有料であり、将来パーティション管理をする予定がないという方はオプションを選択しないことで安く済ませることができるし、将来もソフトを使う予定の方はオプションを選択する事で、将来のアップグレードを無料で受けることができる。
なお有料版にも実は3種類が存在し、『Partition Master Professional』の機能に更に「Windows Server 2003/2008/2012を含め、サーバー環境へのサポート」、「RAID 5ボリュームの修復」の機能が付加された『Partition Master Server』、そしてこれに更に「社内での使用回数に制限なし」となった『Partition Master Unlimited』がある。
まとめ
『EaseUS Partition Master Professional』は一つのソフトウェアでパーティション関連の様々な作業を完結させることができる製品だと言える。しかも先に述べたようにそのほとんどの機能が無料版でも使用できるというのも大きな点である。上記したようなパーティション管理に関わる機能を使用する必要があるという方がおられたらまず試してみられると良いだろう。
特に便利なのは、直感的なインターフェイス(パーティションサイズの変更・新規作成)、通常用意されている環境では手順が多く掛かる作業を行うことができること(データ損失無しでダイナミックディスクをベーシックディスクに変換、いっぱいになったCドライブを増やす)、そして先に述べたとおりパーティション関連の作業に必要なツールが一つのソフトウェアで完結する点だ。
ここで紹介した以上にも、ファイルシステムをFATからNTFSに変更したり、データ損失なしでMBRディスクとGPTディスクを相互変換、指定されたパーティションを他のパーティション或いはディスクにコピー、ダイナミックディスクのリサイズなどにも対応しており、趣味でパソコンをいじるのが好きな方からプロとしてパーティション管理をせねばならない人まで幅広いニーズに応えることができるソフトウェアだと言えるだろう。
なおこのソフトは動作環境がWindows XP、Vista、7、8から10まで幅広いOSに対応している点、ハードウェアの必要環境もCPUがx86系以上、500 MHz、RAMが512MB以上、ディスク空き容量100MB以上、とかなり幅広い動作環境をサポートしていることも特筆すべきだろう。
(なおEaseUS社からは以前にも『Todo Backup Workstation』のレビューを執筆させて戴いている。バックアップやHDDをSSDに移行するためにデータのコピーを行う場合にはそちらを使うとよいだろう。)
Source: EaseUS
(abcxyz)
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