航空機をモチーフにしたイギリスの腕時計ブランドAVI-8より「Hawker Hunter AV-4052」コレクションから白とシルバーを基調としたモデル01をレビュー用にご提供戴いた。
Hawker Hunter(ホーカー ハンター)は1950年代にイギリス、ホーカー社で開発され、イギリス王立空軍を始め世界各国の空軍で使用されたジェット戦闘機。AVI-8によれば同機はごちゃごちゃせず細かすぎず、考え抜かれて設計されたデザインにより好評を博したのだという。航空機操縦に疎い素人目にはHawker Hunterコクピットの計器はごちゃごちゃしているように見えるが、それでも必要な計器がわかりやすく配置されていたのだろう。
今回レビューする「Hawker Hunter AV-4052」コレクションはそのHawker Hunterの計器からインスパイアされたものとなっている。早速見ていこう。
ケース
正方形の角をそれぞれ45度で2回切ったような12角形ケースに丸い風防。ケースそのものが航空計器のようなスタイルで、リベットで留めつけてあるような逞しくボールドな印象。12角形の面は縦方向にヘアライン仕上げが成されている。
ケース幅は45mm、厚さは12mm。
竜頭にはブランド名のAVI-8が。「A」と「8」は無色で、「V」と「I」は紺色で刻印されている。竜頭の根元を保護するように飛び出た楕円状の部品と、その左右に突き出るプッシュボタンとリセットボタンの構成も美しい。
プッシュボタンはメタリックな灰色で、リセットボタンは本体色と同じ銀色。どちらもクリック感には乏しいが、押し込む深さはある程度ある。
ケース裏面にも存在感ある大きなAVI-8のロゴ。ケースはステンレススチール製で、50m耐水との表記。ムーブメントは詳細は書かれていないが日本製のクオーツクロノグラフとのこと。
立体感溢れる文字盤
文字盤はまさに航空機のコックピット。ケースそのものも航空計器のようではあるが、文字盤の中もまた航空機のようにリベットが多数留めてある。
文字盤には時分秒針のほか、日付窓、24時間針、クロノグラフ針と、そして特徴的なレトログラード式10分針がある。
風防から盤面へと傾斜した分の刻みが記された白色の部品、そこに切れ込みが入り、盤面から黒鍵のように飛び出したインデックス部分。光沢があり、ケースよりは白みがかった銀色をした文字盤面は、ざらついた加工が施されている中に、0~1時方向から9時方向へと所々曲がり角のある1段深い溝が掘られている。盤面の立体感は盤面にあるAVI-8のブランド名も僅かに押し上げられた部分に記されている。
そんな文字盤の中の計器でも一番目立つのはやはり盤面から大きく突出したレトログラード式の10分計であろう。初期状態で針は左の0の位置にあり、プッシュボタンを押しクロノグラフをスタートさせると針は右に移動していき、10分の位置にくると自動的に0の位置まで戻っていく。戻る際には6時方向のクロノグラフ針が逆回転していくのも面白い。
針が戻る際のクロノグラフ針の逆転中は針が早く動くために普段よりも大きめの音をたてる。クロノグラフで10分しか計れない、と思われる方も居るかもしれない。だが、ある程度静かな環境であれば時間を計るためのクロノグラフ機能しかついていないのにこれが10分タイマーとして機能するという点は面白く、使い方によってはこれを便利だと感じる人も居ることだろう。
10分計よりも控えめに盤面から飛び出ている24時間針の「計器」も小さいながら良い味を出している。
時分秒針は盤面から高くつきだしているが、これはもちろん文字盤面の計器に針がぶつからないようにするためもあるだろう。
時分針は先が灰色となったペンシル型のもの。大きな印象も受けるが中抜きされているため伴明の計器類の可視性を下げることはない。
時短針を除く針は赤く塗られており、黒、白、灰色により構成された盤面とケースの中にあって目を惹く色となっている。
レビュー用に提供戴いたものは5時のインデックス上に白い繊維が入り込んでいた。この写真ではよく見えないだろうし、そこからもわかるように目立つものではないのだが、正規製品ではもう少し検品されていることを期待したい。一応AVI-8製品には24ヶ月間の初期不良保証がついていることも記しておこう。
バンド
軍用計器的なごつい時計をサポートするかのように、ケースから伸びるのは3.5mmほどの分厚いレザーバンド。バンド幅は22mmで一般的なバネ棒式。
バックルもケースと同じステンレススチール製で色もマッチする。バックルにはAVI-8のブランド名が記されている。
レザーバンドの裏側にもブランド名の刻印。
まとめ
大柄で四角い存在感たっぷりの「Hawker Hunter AV-4052」。ケースも文字盤も立体感溢れる作りであること、そして各種要素が航空計器を模した形状であることがこのモデルのユニークさであると言える。平たく起伏のない時計に飽きて、盤面に立体感を求めている人にはうってつけだろう。
クロノグラフ機能は10分しか測れないので、クロノグラフの実用性を求める人には向かないだろう。仕事やフォーマルな場にも合わないかも知れない。航空計器をモチーフにするもののアビエーションウォッチというには非実用的だ。
だがその一方で文字盤が大きく可視性が高いという点では十分に時計としての実用性はあるし、日付表示窓もついている利便性もある。また、シンプルすぎず、まるで燃料計のようにも見えるレトログラード式10分針の遊び心も楽しい。
飛行機好きにも、計器が好きで堪らないという方にも、休日は何か他とは違った一品を探している方にも楽しめる時計、それがAVI-8の「Hawker Hunter AV-4052」だろう。
今回のモデルは日本の小売りサイトでは未だ販売されていないようだが、AVI-8の公式ウェブサイトからは(ロシア以外の)世界中に送料無料で発送をしている他、それ以外のモデルであればAmazonや楽天などでも販売されているので、覗いてみるといいだろう。
なおInstagramには「AVI-8いよいよ日本上陸間近」としてAVI-8日本公式アカウントなるものが去る8月から開設されているので、もしかしたら今後日本でも同社の腕時計が流行ってくるかもしれない。
最後にこの場をお借りして「Hawker Hunter AV-4052」をレビューする機会を与えてくれたAVI-8に感謝したい。
Source: YouTube
(abcxyz)
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