世界に一つしかない、自分の絵柄でデザインする腕時計…Eoniqデザイン+提供レビュー

世界に一つしかない、自分の絵柄でデザインする腕時計…Eoniqデザイン+提供レビュー


Eoniqより、同社の時計をカスタマイズしてレビューする機会を頂いた。

香港のEoniq社は2016年にIndiegogoで目標金額の933%を集めプロジェクトを成功させている。

自分でデザイン…カスタマイズプロセス



デザイン、といってもそこまで難しく考える必要は無い。まずはEoniqのウェブサイトより左上の「ウォッチ」を選び、次のページでクオーツモデルから自動巻き機械式モデルまで、様々なベースモデルを選択するところから始まる。ベースさえ選択してしまえば、あとは「鉛筆」風のアイコンをクリックすればカスタマイズページがロードされ、直感的なインターフェースで自分好みに時計をカスタマイズしていくことができる。


今回提供して戴いたのはアルスター(Alster)という機械式自動巻きモデルだ。ムーブメントには信頼の日本製、Miyota 82S0が採用されている。21石ジュエルでパワーリザーブは42時間、毎時2万1600振動。風防にはサファイアクリスタルを採用し、ケースの大きさは40mm。

これが初期状態。ここから、ケース、ストラップ、針、ダイヤルや文字盤、ローターを選択し、好みの文字や図柄を入れていく。それぞれを自分の好みに合わせて選択するだけでいいので簡単だ。なお、カスタムダイヤルの選択肢などはベースの時計により変わるので、気に入ったものがなければ別のベースモデルを選択して試してみると良いだろう。

ケースは3色から、ストラップはレザーやメッシュ、ペルロンまで全24種類から選ぶ。時針分針は蛍光塗料(Luminous)のついているものとそうでないものがある。文字盤部分は、個人的には内部構造が3分の1見えるこのスタイルがEoniqのトレードマークにも思えるので初期状態の形そのまま、文字盤の色をパールホワイトとした。なお、私の選択した文字盤にはEoniqのロゴを入れているが、ロゴはなしにすることも可能だ。


文字盤やローター部分にはアルファベットと数字で好きな文字を入れることができる。フォントも様々なものから選択できるほか、配置する位置やサイズ、傾斜まで細かく調整可能だ。彼氏彼女の名前を入れてペアウォッチを作るのも良さそう。


また、文字だけでなく画像も配置することも可能。画像は29種類用意されているものがあるほか、なんと自分で作成した画像を貼り付けることも可能なのだ。画像はJPGもしくはPNGで最低でも1500x1500ピクセルが望ましい。私は自分でデザインした絵をスマートフォンで撮影し、パソコンで白黒に加工したものを読み込んで配置した。

このパターンはEoniqの3分の1内部が見える文字盤にどんなパターンが似合うか10種類ほどスケッチをして出したアイデアの一つ。この模様が紀元前3000年前頃のフィン・ウゴル(Finno-Ugric)の人々が持っていた櫛目文土器文化の「櫛目文土器」(櫛で梳いたような模様のついた土器)を思い起こさせたことから、このパターンは妻によりフィンランド語で「櫛目文土器」を意味する「Kampakeramiikka」(日本語読みすると:カンパケラミーッカ)と名付けられた。実はケースの色やストラップもこの図柄に合わせて選んだもの。


なお、面白いのが裏のローター部分。この部分には初期状態では8N24のローター部分が用いられているのだが、このローターは「D」字状で、中がくりぬかれた形状となっており、中の構造が見やすくなっている。だがこのローターは、後ろへ刻印や図を入れ込みたい場合にはMiyota 821A-21Dのローター部分と入れ替える事ができるのだ。821A-21Dはローターがかまぼこ形になっており、82S0のローターのような切り抜きがない。このため、821A-21Dローターを選択すると、ローターの上にも刻印や図を入れる事ができる。

画像は821A-21Dローターに先ほどの図柄を配したもの。


時計のデザインをするだけならお金もかからないし、気に入ったデザインができればそれを保存したり、シェアしたりする事も可能だ(例えば自分のデザインした時計のリンクをシェアして「誕生日にこれ買ってください」なんて使い方もできるわけ)。

自分のカスタマイズした時計は、職人の手により一つ一つ組み立てられる。オンラインで注文した場合、組み立てにかかる時間は約5週間とのこと。なお、私のものは4月4日にデザインを送って、4月17日に届いた。

そうしてできた実際の腕時計



まずは開封の儀。Eoniqのロゴ入りのオシャレな箱に入って届いた。


開けてみるとこちらもロゴ入りのレザー風のケース。


そしてその中には…自分でカスタマイズし、自分のデザインした図柄が配置された、まさにパーソナライズの極みのような時計が!

なお、ケースの右側には取扱説明書と、組み上げた職人のサイン入りの証明書が入っている。証明書にはアイテムナンバーと製造日も記してある。ケース右側下部には替えのストラップを入れることも可能だ。


表面。風防は一見すると平坦に見えるが、実は緩やかなカーブを描いている。風防の端部分は外向きのエッジとなっており、ケースの傾斜と合わさり見た目的にも美しいし、実際にはケースとの間に小さな段差があるにもかかわらず触った時に引っかかりを感じないようになっている。

内部構造は、テンプやそこから伸びるヒゲゼンマイ、ガンギ車とアンクルの動きも見ることが出来る。これは私にとっては初めての自動巻き時計であり、内部構造が見える機械式時計としても初めてだ(実は初めての機械式時計は母からもらった手巻き式で内部構造が見えないナースウォッチだった)。ある意味では内部の複雑で洗練された構造が見えることで初めて、時計の持つ歴史や技術が目に見え、そこに真価を感じることが出来ると言えるだろう。

文字盤の切り抜き部分にはアワーマークなどは入っていないかと思ったのだが、実は目立たない灰色でアワーマークが記してあった。細かいところまでこだわってあって、これは嬉しい驚き。また、パールホワイト(私の感覚からするとシルバーに近い)の文字盤部分と文字盤の黒い部分との間には段差があり、露見した内部構造と合わさり時計内部に更なる立体感が感じられる。


クラウンは4時と5時の間に配されており、腕の動きを邪魔しないようになっている(暫く前にレビューしたElliot HavokのQuarter Century Watchもそうだった)。


裏面。ローターは反時計回りに回るときにのみ巻かれる仕組み。ローターが反時計回りに動く際には減速車や角穴駆動車、香箱のものと思しき歯車の動きも楽しむことが出来る。自動巻きではあるが、クラウンを手動で巻くことも可能。クラウンを巻くときにもそれらの歯車の動きを見ることが出来る。


唯一微妙に残念だったのは、ヌバックのレザーストラップはライトブラウン色を選んだのだが、コバ(側面)の仕上げがブラックで、この点は想像できなかった点。欲を言えば完成したデザインを3Dモデルでぐるり見ることが出来たらこの点も事前に判明していたかも。なおストラップは20mmで、PebbleシリーズやQuarter Century Watchにも採用されているクイックリリースストラップになっているので付け替えは容易だ。


先日レビューしたArtwatchframeに飾っても画になる。ストラップのバックル部分が黒なのでノブ部分が黒であるこのフレームに似合う。



まとめ



パーツを複数の部品の中から選んで自分好みにカスタマイズ可能な時計メーカーは最近いくらか出てきているが、自分の描いた手描きのパターンがここまできれいにプリント、刻印されるものはそう多くないはずだ。自分でオリジナルの機械式自動巻き腕時計の文字盤のデザインをしてみたかったという人にもピッタリのカスタム時計と言えるだろう。

ウェブサイトは日本語で表示させることも可能だし、金額表示も日本円が選択できる、世界中に発送しているので日本に住んでいないあなたの手元にも届けてくれる。

なお、当ブログをお読みの読者の皆様に、米20ドル相当が値引きとなるクーポンコードがEoniqから提供されているるので、ご注文の際はご利用頂くといいだろう。

クーポンコード:abcxyz_jp_gadget

なお、このクーポンコードを使用されても私には一銭も入ってこない、純粋な割引コードであるということも記しておこう。

Eoniqの実店舗は香港に存在し、予約を入れることでスタッフと共に時計をデザインすることが可能。この場合、無料でドリンクがつくほか、ネットでの注文よりも格段に早い3営業日後に時計を手にすることができる。時計を買うならやっぱり実店舗で、という方や、自分風のデザインにしたいけどデザイン力に自信の無い方、また、香港に旅行に行くという方であれば行ってすぐにデザインして帰りに時計を手にして帰国することもできるだろう。

なお、以下のような素敵なデザインアイデアもEoniqのインスタグラムアカウント@eoniqdesignに多数掲載されているので参考にされると良いだろう。

EONIQさん(@eoniqdesign)がシェアした投稿 -



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この場をお借りして、今回レビューする機会を与えてくれたEoniqに感謝したい。


Source: Eoniq, Miyota Movement

(abcxyz)

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