携帯可能な大気汚染モニターを謳うデバイスATMOTUBE。Indiegogoより結構前に届いていたのだがどうやらレビューしていなかったようなのでここに記す。
動画はAtmotubeより。
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重さ40g、センサーとLEDがチタニウムコーティングされた筐体に入っている。あとはボタンがひとつ、USB-C端子と、キーチェーンなどにつけれるハーフリングがついている。単体でもボタンを押すことで大気汚染度がLEDの色でわかる。Android/iOSスマホの専用アプリと連携し、Bluetooth LEで接続すれば、より詳細な大気汚染度、湿度、気温がわかる。こうして計測された大気汚染度はマッピングされ、世界中のAtmotubeで計測された各都市の「空気の質」(Air quality)がわかるというものだ。
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+27度の表記になっているが、実際の室温は22度。湿度が68%もあるのは2分前に息を吹きかけたためか。
なお、「空気の質」とはいっても、実際に計測されている値は「Volatile organic compounds/揮発性有機化合物」(VOC)と「Carbon monoxide/一酸化炭素」、そして気温と湿度だ。VOCは固形物や液体からでてくる揮発する有機化合物の総称で、例えば絵の具やラッカー、接着剤、燃料、洗剤や建材などから出ることのあるもの。目や喉の痛み、喘息の原因となったり、公害やシックハウス症候群などの原因ともなるようだ。一酸化炭素は無色無臭の気体で、一酸化炭素中毒の原因ともなる。一酸化炭素中毒も軽症の場合、頭痛や吐き気が発生するが、重症になれば脳へ障害が出たり、死に至る。
ある意味こういう宣伝は(先日紹介したShoninカメラや、Bobby盗難対策リュック、また、一部のメディアなどと同じく)無駄に人々に恐怖を抱かせる「scaremonger」的だ。人々に恐怖を抱かせてモノを買わせるというわけ。
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自分のデバイスで計測した空気の質マップ
それでもAtmotubeが面白いと思ったのは、それぞれの場所の空気の質マッピング。自分の生活圏の質も知ることができるし、これから旅行しようという場所の質も(その土地にAtmotubeユーザーがすでに訪れていれば)わかる。
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こちらは世界中のAtmotubeデバイスによるマップ
スマホでは生でAtmotubeの計測値が見られる。狭い部屋で料理をしたりすると値が変わるし、息を吹きかければ湿度の値も変わる。しかしどれだけ正確に計測しているのかは疑問だ。確かに何かを計測しているようではあるが、自分の生活圏の空気の質はAtmotubeによればとても良いようで、良い結果ばかり見るのもなんだか本当に表示が合っているのか心配になるものだ。逆に自分では「ここの空気は排気ガス臭いし汚染されているだろう」と思ってもそれは特に値に大きく反映されているように見えず困惑したりもする。
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それに加えて、この「空気の質」の値がどれだけ信憑性のあるものかということもわからない。大きくスマホに表示される値は100段階評価で100が最高に空気の質が良い状態。だが、この値の算出方法は不明で、スマホアプリから見れる詳細だってVOCと一酸化炭素の値が上の写真のように合算されているので、どちらがどれだけ空気中にあるのかも謎だ。
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累計どれだけの時間どんな空気の質の場所に居たか表示することもできる
届いてしばらくの間は本体のファームウェアアップデートも何度かあったのだが(スマホアプリから行う)、最近はスマホアプリのみのアップデートがちょくちょくあるだけだ。いつぞやのファームウェアアップデートでは「充電中は温度を計測しない」というものがあったと思うが(本体が熱くなるため)、今はなぜか充電中にも温度が計測されている。バッテリーの持ちは良いとは言えなくて、満充電でも8時間も持たないんじゃ無いかな。バッテリー効率はファームウェアアップデートで改善されることを期待していたが、改善されていない。
Atmotube: The Portable Air Pollution Monitor
動画はAtmotubeより。
追記:TED-Edの動画にもVOCを含めたスモッグについての解説動画があったので参考までにどうぞ:
動画はTED-Edより。
(abcxyz)
動画はAtmotubeより。
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重さ40g、センサーとLEDがチタニウムコーティングされた筐体に入っている。あとはボタンがひとつ、USB-C端子と、キーチェーンなどにつけれるハーフリングがついている。単体でもボタンを押すことで大気汚染度がLEDの色でわかる。Android/iOSスマホの専用アプリと連携し、Bluetooth LEで接続すれば、より詳細な大気汚染度、湿度、気温がわかる。こうして計測された大気汚染度はマッピングされ、世界中のAtmotubeで計測された各都市の「空気の質」(Air quality)がわかるというものだ。
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+27度の表記になっているが、実際の室温は22度。湿度が68%もあるのは2分前に息を吹きかけたためか。
なお、「空気の質」とはいっても、実際に計測されている値は「Volatile organic compounds/揮発性有機化合物」(VOC)と「Carbon monoxide/一酸化炭素」、そして気温と湿度だ。VOCは固形物や液体からでてくる揮発する有機化合物の総称で、例えば絵の具やラッカー、接着剤、燃料、洗剤や建材などから出ることのあるもの。目や喉の痛み、喘息の原因となったり、公害やシックハウス症候群などの原因ともなるようだ。一酸化炭素は無色無臭の気体で、一酸化炭素中毒の原因ともなる。一酸化炭素中毒も軽症の場合、頭痛や吐き気が発生するが、重症になれば脳へ障害が出たり、死に至る。
ある意味こういう宣伝は(先日紹介したShoninカメラや、Bobby盗難対策リュック、また、一部のメディアなどと同じく)無駄に人々に恐怖を抱かせる「scaremonger」的だ。人々に恐怖を抱かせてモノを買わせるというわけ。
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自分のデバイスで計測した空気の質マップ
それでもAtmotubeが面白いと思ったのは、それぞれの場所の空気の質マッピング。自分の生活圏の質も知ることができるし、これから旅行しようという場所の質も(その土地にAtmotubeユーザーがすでに訪れていれば)わかる。
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こちらは世界中のAtmotubeデバイスによるマップ
スマホでは生でAtmotubeの計測値が見られる。狭い部屋で料理をしたりすると値が変わるし、息を吹きかければ湿度の値も変わる。しかしどれだけ正確に計測しているのかは疑問だ。確かに何かを計測しているようではあるが、自分の生活圏の空気の質はAtmotubeによればとても良いようで、良い結果ばかり見るのもなんだか本当に表示が合っているのか心配になるものだ。逆に自分では「ここの空気は排気ガス臭いし汚染されているだろう」と思ってもそれは特に値に大きく反映されているように見えず困惑したりもする。
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それに加えて、この「空気の質」の値がどれだけ信憑性のあるものかということもわからない。大きくスマホに表示される値は100段階評価で100が最高に空気の質が良い状態。だが、この値の算出方法は不明で、スマホアプリから見れる詳細だってVOCと一酸化炭素の値が上の写真のように合算されているので、どちらがどれだけ空気中にあるのかも謎だ。
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累計どれだけの時間どんな空気の質の場所に居たか表示することもできる
届いてしばらくの間は本体のファームウェアアップデートも何度かあったのだが(スマホアプリから行う)、最近はスマホアプリのみのアップデートがちょくちょくあるだけだ。いつぞやのファームウェアアップデートでは「充電中は温度を計測しない」というものがあったと思うが(本体が熱くなるため)、今はなぜか充電中にも温度が計測されている。バッテリーの持ちは良いとは言えなくて、満充電でも8時間も持たないんじゃ無いかな。バッテリー効率はファームウェアアップデートで改善されることを期待していたが、改善されていない。
Atmotube: The Portable Air Pollution Monitor
動画はAtmotubeより。
追記:TED-Edの動画にもVOCを含めたスモッグについての解説動画があったので参考までにどうぞ:
動画はTED-Edより。
(abcxyz)
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