Kickstarterで出資したソーラーパネル、FlexSolar。クラウドファンドで手に入れたソーラーパネルは他にもYolkのSolar Paperと、デンマークのHeLi-Onがあるが;
Solar Paper(当ブログレビューはこちら)はたくさんパネルを繋ぐ場合、持ち歩きには適さない。パネル同士が磁石でつながるしくみのため(完全に外れはしないようにする部品もついてくるのだが)、歩く振動でパネルがひっついたり外れたりする。また、Kickstarterで出資した私の持つバージョンよりも、現行販売されているSolar Paperの磁石のほうが強くなっているとも何処かで読んだ気がするので、この点は改善されているのかもしれない。
HeLi-On(当ブログレビューはこちら)は巻き取れるのはいいがフィルム状のソーラーパネルは脆そう(分だりしたら折り目がついてしまいそう)で、巻き取るせいで重しがなければクルッと巻き戻る癖もついているし、内蔵バッテリーがあるのはいいが充電できているかどうかがさっぱりわからないというとんでもないシロモノだ。
そんなこんなで出資していたのがKickstarterの「PocketPower: A Solar Charger Fits in Your Pocket」。
この投稿タイトルで「PocketPower/FlexSolar」としたのは、ソーラーパネル自体にはFlexSolarと記してあるし、CES 2017に出されていたブースにもFlexSolarと書いてあるからだ。PocketPowerと書いてあるのはKickstarterページとそれを紹介するサイトくらい。パッケージにも「FlexSolar Portable Solar Charger」としか書いてない(パッケージ裏には「Smart-Sun 6 Plus」と書いてあった。多分製品名としてはこれが正しい。)。パッケージに記してあるウェブサイトは「www.meigeinc.com」。
-20度から+70度までの幅広い温度で作動する。ソーラーパネル表面にはエンボス加工がなされておりそれによりソーラーパネル面に光が直角に入射しなくとも充電できるため、そうでないものと比べ光の吸収率が5%上がっているとか。
Auto Restart機能というのも採用されている。これがないと、一旦太陽が隠れてから再度ソーラーパネルに太陽光が当たった場合、スマホ側で「充電中」の表示がなされていても電流は流れないんだそう。
パワーバンクやバックパックのオプションを付けたものもあったが私はそういうのはナシのやつに出資した。
実はパッケージの裏によれば大きめのパネルが2つ付いており、出力アンペア数が1Aの「Smart-Sun 5 Plus」というのもあるようだが、これはKickstarterでは紹介されていないもの。届いたのはKickstarterで紹介されていた方の「Smart-Sun 6 Plus」。こちらは5 Plusよりも小さそうなパネルだが4パネルあり、出力アンペア数は1.2A。どちらも出力ボルト数(Vout)は5Vとなっている。
付いてきたのはカラビナ2つとケーブル。ケーブルはフルサイズのUSBからmicroUSB、USB C、Lightningが三叉に分かれ出たもの。なおこのケーブルと充電アダプタを使って(ソーラーパネルを使わずに)microUSBとUSB type Cにそれぞれ機器を接続し充電をすることが可能であった。
デバイスを充電できているかどうかはデバイス側の充電サインが点灯するかどうかでしかわからない。
たたんだときには磁石でたたまれた状態を保つことができる他、磁石で引っ付けるものに貼り付ける事もできる。下の写真も実は壁からせり出た金属製の庇みたいなやつにひっついてる。
家の窓辺でFlexSolarとSolar Paperを並べてかわりばんこに同じ機器を充電させてみたら、どうやらSolar Paperでは充電できない光量の時でも、FlexSolarの方が充電できる気がする。
例えばこの状況。日没近く(ヘルシンキ。午後21時42分)で太陽は斜めから入ってくる。Solar Paperは発電していないが、Solar PaperをどけるとFlexSolarはFreetel Reiを充電しだす。
Solar Paperの方は「太陽に垂直に」パネルを傾けよとの説明があるので、ここではFlexSolarのエンボス加工が効果が出ているのかもしれない。ただ、Solar Paperはあくまでも薄さにこだわったソーラーパネルなので、ここはデザインの取捨選択でこの差が出たと言っていいだろうが、同時にSolar Panelは前述の通りパネルを磁石で止める仕組みのせいで「太陽に垂直に」設置するのが難しい。これはパネルが離れ離れになりやすいからだ。
天気のいい日に外に出てFlexSolarとSolar Paperを比較してみた。VとAを測定するのに使用したのはIndieGoGoだかで手に入れたLegiOn Meter。Solar Paperはパネルが着脱式になっているので、1枚と3枚で比べてみた。この時にはなるべく両者とも太陽に直角になるようにしている。結果:
FlexSolar : 4.6V 0.4A
Solar Paper(1枚のみ): 4.5V 0.1A
Solar Paper(3枚) : 4.6~7V 0.5A
となった。あまり意味のない比較にも思えるが、Solar PaperはLCDスクリーンが付いており、発電している量を単体で表示することができる。このLCDスクリーン機能が電気を使っているためにソーラーパネルの効率性はどうであれ、FlexSolarよりも出力が低くなることも考えられる。この点もデザインの取捨選択と言っていいだろう。LCDで発電している量がわかるのは頼もしいし、FlexSolarのように何も表示がない場合充電できない時にソーラーパネルが原因かケーブルが原因かすらわからない。
また、Solar Paperにも「Auto Restart」機能に相当するであろう「auto reset technology/auto-comparison technology」が付いている。しかしSolar Paperでは(私の環境では少なくとも)太陽光が不安定な状況で接続したデバイスがソフトリセットされる/ソフトリセットしなくてはいけなくなる症状が時折起こる。デバイスはPebble Time/2でもKindle Voyageでも、AndroidスマホでもWindowsスマホでもこのようなことがおきた。これは太陽光が遮られる時にSolar Paperがおこなうリセットが問題だと考える。
しかし今のところはFlexSolarでは同様の太陽光が不安定な状況でリセットに迫られたことはない。試しにKindle Voyageのバッテリー残量が半分より少ない状態から数日間FlexSolarに繋ぎっぱなしにして窓辺に吊るして、毎日リセットが起こらないか、バッテリー残量が増えているか確認したが、無事にリセットなしでフル充電が行われた。
ただここで明記しておかなくてはいけないのは、Solar PaperもFlexSolarも共に、太陽光が不安定な状況ではデバイスを充電するのではなく、ポータブルバッテリーなどのバッテリーそのものを充電するように指示していること。そうは言っても実際のところ何らかの原因で太陽光が時折遮られる状況はあるわけで、そう考えるとFlexSolarの方が安心感がある。
参考までに:FlexSolar社は以前からソーラーパネル製品を出していて、それらの一部は日本のAmazonでも取り扱っているようだ。
参考までに:Solar Paper商品リンク(Amazonレビューでは「磁石が弱い」とあるので磁石が強いのはより新しい版なのかも?)
(abcxyz)
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