待ちに待ったPebble2がようやく発送された。だが、これに出資した人なら御存知の通り、今回のクラウドファンディングプロジェクトはこれまでとは違い非常に批判されている。
すでに公式から「一部の人には商品が届くよりも先にAmazonやWalmartで購入可能になる」ことを謝っていたが、Kickstarterプロジェクトページを見ると実際にはそんな生半可な謝罪で済むようなことでは無いというコメントの嵐だった。
そもそも9月の時点で「数週間のうちに発送情報を送る」なんて約束していたのが、10月になって小売店向けの販売を優先するような状況に。Kickstarterで出資した人々は、なぜ出資した我々を無視して小売店を優先したのか、すでに数回Kickstarter最大級の資金を集めたプロジェクトをこなしておいて、この期に及んで出資者を無視するなんて!と、キャンセル、返金を要求するコメントがしばらく前まで山のようにあった。(現在はようやく発送され始めたために「うちにも届いた」、「発送案内来た」というコメントの嵐となっている)
私自身も、今回のキャンペーンには不安を感じていた。これまでのPebble社のキャンペーンと比較して、まずはわけの分からないPebble Coreの発表から始まり、無理やりファームウェアに「Health」要素をねじ込み批判され、発送が9月最終週だと言っておきながら、先の小売店で先に販売されるという状況に。そして今回はKickstarter出資者を軽視するという大きな間違いを犯している。これは小売店の話よりも前に、これまで初代PebbleとPebble Timeに出資したバッカーたちのために刻印されていた「Kickstarter Edition」、「Champion」という、一般購入分と出資した分を分け隔てる要素が消えたことからも伺えた。
そもそもキャンペーン開始時点でも一部のバッカーからは「Pebble最近レイオフしてたよね…」という話が(Business Insiderによれば今年3月、全社員の25%をレイオフ)聞かれた。もちろん会社の状況が悪いから色々変更しなければいけなかったというのなら分からないでもないが、出資者にそれを説明せずにズルズルと発送を遅らせるのは悪いクラウドファンディングプロジェクトの典型である。
製品の面だけ考えても、一番コンセプトに沿った製品であったのは一番最初に出た初代Pebble(強いて言えばPebble Steelも)だけで、その後出たPebble Timeは画面切り替えの無駄なアニメーション、通知が来てバイブした瞬間には通知が見えない、など問題を抱えていた。
この状況で思い出すのが、長きに渡る迷走の末終了宣言(後に元社員らが復活させることになるが)したNarrativeだ。Narrativeも初代は素晴らしく、コンセプトに沿った製品であったが、Narrative 2は予約段階で購入者に提示されたものと、実際の製品は同じものではなかったし、その迷走から終焉が垣間見えていたように思う。Pebble元社員がもっと素晴らしい製品を作ってくれないかな。
なお、Kickstarterのコメント欄を見る限りでは(公式からの直接のコメントが記されているわけではなく、公式に問い合わせて回答を得たと言うバッカーからのコメントとして)Pebble2の最後のバッチが発送されるのが今週末、Pebble Time2が発送開始されるのは11月終わり/12月はじめとのこと。
(abcxyz)
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