日本時間24日深夜、スマートウォッチPebbleに新作が発表されました。米Gizもおすすめのベストスマートウォッチに選ばれているPebbleの後続機というだけあって、期待が高まりますが、発表されたのはスマートウォッチの新作だけではありませんでした。
すでに発売されているPebbleのスマートウォッチラインナップには、白黒のPebble Classic、カラーのPebble Time(そして両モデルのSteel版)、円形ディスプレイ採用のPebble Time Roundがあります。今回新たに発表されたのは4つのデバイス、Pebble 2、Time 2、Pebble Coreです。
Pebble 2、Time 2はこれまでのPebble Classic、Pebble Timeの後継機となるようですが、Pebble Coreはスマートウォッチではありません。いったいそれが何なのかも含めて、新作を詳しく見ていきましょう。
Pebble 2
・白黒ディスプレイ
・24時間心拍数計
・マイク付き
・アクティビティー/睡眠トラッカー機能
・30m耐水
・バッテリー7日間
現行のPebble Classicの後続機となる、白黒ディスプレイのスマートウォッチです。これまでPebble Timeにしかついていなかったマイクが搭載され、音声入力によるメッセージ入力なども可能になりました。Pebble Classicは50m耐水だったのが、Pebble 2では30m耐水になっています。バッテリーは初代と変わらず7日間使えるとしています。
Time 2
・カラーディスプレイ
・24時間心拍数計
・マイク付き
・アクティビティー/睡眠トラッカー機能
・30m耐水
・バッテリー10日間
現行のPebble Timeの後続機となるカラーディスプレイのスマートウォッチです。パッと見の大きな違いはといえば、Pebble Timeからディスプレイのサイズが53%増しとなり、一度に表示できる情報量が増えたことでしょうか。バッテリーはPebble Timeでは7日間しか持ちませんでしたが、Time 2ではPebble Time Steelと同じく10日間持つようになりました。耐水性はPebble Timeと変わらず30mです。
どちらもAndroid / iOSのスマートフォンとBluetoothで連携させて通知を受信したり、メッセージを送り返したりできるのはこれまで通りです。
Pebbleはここ最近アクティビティートラッキングに力を入れてきました。Pebbleが発売された当初より、内蔵された3軸加速度計を利用した歩数計などがユーザーから出てきたり、アクティビティートラッカーMisfitの公式アプリが出たりなどしていました。それが昨年末にはPebble Time / Pebble Time Round向けにPebble公式の「Health」アプリが用意され、歩数と睡眠(熟睡時間も測れる)がPebble Timeシリーズ本体で確認できるように。そして、今月にはスマホのPebbleマネージャーアプリでも歩数やランニング時間、睡眠状況が詳しく確認できるようになるアップデートがあったりと、本格的にフィットネストラッキング機能をアピールし始めていたのです。
今回発表された3つのデバイスでも、そこに注力していることが見て取れます。Pebble 2、Time 2共に、新たに心拍数計が採用されています。心拍数計について詳しくは述べられていないものの、Kickstarterキャンペーンで公開されているPebble 2/Time 2裏面の写真には中央部分にセンサーらしきものがみられます。
でも今回発表された「Pebble Core」はスマートウォッチではないし、心拍数計だってついていません。いったいこれは何なのでしょうか?Kickstarterページでは「Pebble Core for Runners」、「Pebble Core for Hackers」と分けて表示されていて紛らわしいですが、デバイスとしては一つのものであり、使い方が二通り考えられているというだけです。
*追記:詳しいハードのスペック、CPUなどは公式デベロッパーガイドで公開されています。
Pebble Core
「Pebble Core」は簡単に言えば画面も何もついていないAndroid 5.0デバイスです。Wi-FiやBluetooth、GPSが内蔵されているのはもちろんのこと、micro SIMカードも内蔵でき、3G通信が可能となっています。また、音声ノートもとれるとされています。
ランナー向けの機能としては、この小さなデバイスをランニングシャツにクリップで挟んでしまえば、重いスマホは家に置いたままで、それでも音楽をストリーミング再生してGPSトラッキングも行いながらランニングが楽しめる、というものとなっています。GPSの位置データはRunkeeper、Stravaなどのフィットネスアプリと同期させることができます。
面白い点としては、もし危険な目にあった時のために、緊急SMSを位置情報とともに発信する機能があります。また、Pebbleシリーズとペアリングもできます。バッテリーに関しては、位置トラッキングとオフライン音楽再生機能を使って9時間の使用となっています。
ハッカー向けには、2つのプログラム可能なボタンが搭載されているため「IoTボタン」にできるということ。あと、拡張用ハードウェアポートがあるとしています。
Pebbleがこれまでに出してきたスマートウォッチは、手元で通知を確認できたり、手元からメッセージに簡単な返信を返せたりといった機能により、カバンやポケットの中からスマホを取り出す機会を減らしてきました。でも「Pebble Core」はちょっと中途半端に思えます。「ランニング中にスマホを携帯しない」というアイデアは素敵ですし、micro SIMを内蔵できるというのも面白いです。でもだったら通話やメッセージのやり取りができるべきでしょう。Pebbleシリーズとペアリングできるともされていますが、手元のスマートウォッチがPebble Coreとペアリングしてできることは「音楽のコントロール、時間、ペース、距離を見ること」としか書かれていません。また、耐水性についても書かれていないのは、雨の中でも走るという人には心配なところでしょう。
3Gで接続されたIoTボタンはまだ珍しいかもしれませんが、バッテリーの短さもあり、そこまで使い勝手がいいとは思えません。想定されている使い方には「ペットのトラッキング」などが挙げられていますが、ペットトラッカーなら単機能のより優れた製品が出ています。そもそもユーザーが制作したPebble用のアプリにIFTTTを利用できるものがあるので、スマホとペアリングされたPebbleがあれば手元でIoTボタンを押せるわけです。
初代Pebble、Pebble TimeとこれまでにKickstarterで2度の大成功を起こしたPebble。今回のプロジェクトは、開始から12時間ほどですでに100万ドル(約1億円)の目標金額の5倍以上の資金を集めています。Android WearスマートウォッチやApple Watchとは違いタッチスクリーンも搭載せず、ある意味機能をシンプルに絞ったために成功してきたPebbleシリーズ、キャンペーンの成功は間違いないでしょうが、今回の製品群はどれだけ実際に成功することができるでしょうか?
Image: Kickstarter
source: Kickstarter
(abcxyz)
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