Kickstarterで資金を集め、製品化した温度差発電できる鍋「The PowerPot X」。昨年7月頃に届いていたのを10月にレビューした時にも書いていたのだが、このプロジェクトの製品である鍋The PowerPot Xが届いた時点では、資金募集時に約束していた鍋用のレギュレーターが用意できていなかった。そのためその前作である「The PowerPot V」用のレギュレーターが一緒に送られてきていたのでちょっと試してみた。
鍋X用のレギュレーターもそのうち届くだろう、と思いながらも、そんなものが存在していたことも忘れ(鍋V用のレギュレーターでも使えるし)、もうすでに2015年の3月も終盤の一昨日、アメリカから箱が届いた。
そこに入っていたのはThe Power Pot X用のレギュレーター。
そしてトップ画像右上のステッカーと、この感謝状。
・KickstarterキャンペーンでThe PowerPot Xを支援してくれて
・発想が遅くなったことに対して「ランボー」にならないでいてくれて
・Awesomeでいてくれて
ありがとう
この新たに届いたレギュレーターは、LEDが一つしかついていない鍋V用のレギュレーターとは違い、複数のLEDがついており現在生み出している電力を詳細に見ることができる上、最大出力5Vの鍋V用のレギュレーターより出力も大きく10W(5V, 2A)まで出せる。
USBメスはふたつ。
だが、ちょっとこの間隔だとモノによってはふたつ同時に繋げられないのではなかろうか。(ふたつ目の画像の後ろに見えるのは鍋V用のレギュレーター)
鍋側に付いている接続部に差し込む部品にも多少変更がある。左が鍋V用、右が新たに来た鍋X用。X用では、両面の端子に「CO」(マイナス)、「IR」(プラス)と彫り込まれている。これはV用ではプラスチック部分の片面でしかなされていなかった。接続部分にはプラスとマイナスがあるので、(一応「CO」側が太くなっているため物理的に差し込むことができないものの、)挿し間違い防止のためだろう。
それでは実際に使ってみよう。
お湯を沸かそうとしているところ。1分もしないうちに赤色LEDのが点いた。これは「もうUSBケーブル挿してくれたら給電できるよ」というサイン。
これは別々に接続している光景だが、FairPhoneもNexus 7(2013)も充電できている。青色LEDが5つ光っているので、5W(5V, 1A)の発電をしているようだ。
鍋から勢い良く蒸気が出ていることからも分かる通り、水が沸騰している(実際にはタピオカパールを煮戻している)。そのため、鍋内の温度と、調理コンロの間の温度差が小さくなり、鍋底に内蔵されている熱電モジュールによる発電量が小さくなっている。3つの青色LEDなので3W(5V, 0.60A)の発電。
結局今回軽く試して見た限りでは鍋X用レギュレーターの売りである「ハイパワーモード」10Wの発電はできなかった。これはこのスタイルの調理コンロの最高火力に起因するものかもしれないし、もしかしたら水道水ではなく氷水を沸かそうとしたほうがよかったのかもしれない(発電効率を上げるには氷水を使えと説明書にも書いてある)。
古い方、ことThe PowerPot VはAmazon.co.jpでも販売している:
が、もし購入されたい場合はPower Practicalの公式サイトから輸入したほうがいいだろう。The PowerPot X(もちろんX用のレギュレーター付きのもの)は、149ドル、日本までの送料25ドルと合わせれば174ドル、約2万円ほどで買える。
(abcxyz)
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