「The PowerPot X」は、熱電モジュール(=ペルチェ素子?)だか熱電変換素子だかが鍋の底に入ってる、USB給電可能な鍋だ。原理としては、湯を沸かす際に熱源の温度は100度以上になるが、水の温度は100度以上にならないことから、その温度差を利用して発電するもの。
元々2012年にこれの前身となるプロジェクト「The PowerPot V」がKickstarterで成功を収め、今回の「X」はその改良版となり、タブレットなども充電できるよう10ワット供給できるようにしたものを作るKickstarterプロジェクト。前のものよりも小さい火力で効率よく発電できるようになったという。
この投稿のタイトルが「届いてたんだった」とあるように、すでにプロジェクトは終わっており、プロダクトが届いてるんだが、プロジェクト自体は目標金額の246%である7万3818ドル(約791万円)を集めた。(欲しい方はプロジェクトチームPower Practicalのサイトから購入できるんじゃないかと思う)
だいぶ前にKickstarterで資金提供して、7月中盤には届いていたのだが、その頃忙しかったこともあり中々触る事ができず今に至る。
3.8L入るXLもあったが、持ち運びの利便性も考えて2.3LのXにした。
ご覧のように、Lumia 620が充電できている。ただ、現在使用しているThe PowerPot Xに付属しているレギュレーターは、The PowerPot Vというこれの前バージョンに当たるもの用のレギュレーターで5ワットをコンスタントに出力するもの。
これは、プロトタイプ-製造の過程で一部部品のサイズを変更せねばならなかったため、The PowerPot X自体は完成しているのだが、The PowerPot X用の10ワットレギュレーターが発送までに間に合わなかったため、とりあえず鍋を発送したため。9月末の資金提供者向けのメールの中では、現在マニュファクチャーにサンプル製造を注文しているところで、12月には発送見込みとのこと。これには資金提供者には特に追加料金を払う必要はない。鍋+昔の鍋のレギュレーターを発送するというのは良い決断だったといえるだろう。
The PowerPot X向けのレギュレーターではiPadなども充電可能になるという。同チームがやっぱり以前にKickstarterで成功させている「Practical Meter」のようなもの「Power Meter」を内蔵するということで、これにより、何ワット出力をしているのかがLEDでわかるようになる。「Practical Meter」のプロジェクト動画も一応貼っておこう:
付属の(The PowerPot V用の)コードは耐熱仕様。あくまでも「耐熱」仕様であり「耐火」ではないので火が触れないように注意しよう。また、注意としては、火を切ってからすぐに鍋の中を空にしてしまうと、急激な温度差で壊れるので、レギュレーターのランプが消えるまで4分の1インチほど湯を残しておくようにとのこと。
ちなみにこのコンロは電熱線コンロ。IHコンロ(インダクション・ヒーティング・コンロ、電磁誘導加熱コンロ)ではない。フィンランドではガスコンロではなく、電熱線コンロかIHコンロが主流なのだが、今回使用しているのは電熱線コンロ。この鍋はそこが確かアルミでできているためIHコンロでは使えないはず。
このフィンランドの会社Pirkkaのレトルトスープみたいなのを作ってみる。
実際にこの鍋で料理をつくるとなると(湯を沸かすのではなく、料理を鍋で作るとなると)、鍋底についた4つのリベットが、鍋を洗う際に邪魔になる。
鍋底にこびりつきそうな素材は使わず、スープとかを作るのもあまりいいアイデアではないだろう。そもそもアウトドアで火をおこして湯を沸かす事を念頭に考えられたのだから、こびりつく食材を洗う際の利便性は考えられていないのだろう。
鍋を洗う事を考えると、もう一つ注意しないといけない点がある。コネクタの端子部分は防水仕様 ではない ので、洗う際には注意しないといけない。プラグでも付けてくれたらいいのに、とも思うが。この鍋の改良版が出ることがあれば、それに期待しよう。
なお、このプロジェクトを立ちあげ、成功させた人たち「Power Practical」は、最近別のバッテリープロジェクト「The Pronto」を立ちあげ、すでに資金目標を大きく上回る金額を集めている。それについても後々。
結局10分くらい茹でてたが、59%から76%まで充電できた。
あー。そういえば去年だったかBioLiteも買ってたんだったよな。レビューしようと写真も撮ったんだよな。The PowerPot XとBioLiteを一緒に使えば最強じゃないか。なんて思ってみるも、BioLiteはBioLiteで鍋ではなく10ワット給電できるケトルを作っていた!構造はThe PowerPotと殆ど変わらない(し、BioLiteともそう変わらないはず)だが、用途を湯沸かしに限定することで、The PowerPotが持っているリベットによる洗いにくさ問題を上手く避けている。その一方では、中が一般的なケトルとは違い「蓋」に当たる部分が無いため結局中が洗いにくそうではあるが。
肝心のBioLiteは友達のところに置きっぱなしなので、取りに行かなければいけないな…。この発電ケトルはまだ日本では売っていないようだ。この下の「ケトル」付きのものとは違う:
(abcxyz)
コメント